1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第1問
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の定期自主検査に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
定期自主検査は、1か月を超える期間使用しない場合を除き、1か月以内ごとに1回、定期に行わなければならない。
定期自主検査は、大きく分けて、「ボイラー本体」、「燃焼装置」、「自動制御装置」、「附属装置及び附属品」の4項目について行わなければならない。
「自動制御装置」の電気配線については、損傷の有無及び作動の状況について点検しなければならない。
「燃焼装置」の煙道については、漏れその他の損傷の有無及び通風圧の異常の有無について点検しなければならない。
定期自主検査を行ったときは、その結果を記録し、3年間保存しなければならない。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第2問
ボイラーの附属品又は附属装置に関し、次のうち誤っているものはどれか。
沸水防止管は、大径のパイプの上面の多数の穴から蒸気を取り入れ、蒸気流の方向を変えることによって水滴を分離する装置である。
バケット式蒸気トラップは、ドレンの存在が直接トラップ弁を駆動するので、作動が迅速で信頼性が高い。
主蒸気管の配置に当たっては、曲がり部に十分な半径を持たせ、ドレンのたまる部分がないように傾斜をつけるとともに、要所に蒸気トラップを設ける。
給水内管は、一般に長い鋼管に多数の穴を設けたもので、胴又は蒸気ドラム内の安全低水面より上方に取り付ける。
大形ボイラー及び高圧ボイラーでは、2個のブロー弁を直列に設け、ボイラーに近い方を急開弁、遠い方を漸開弁とする。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第3問
鋼製ボイラー(小型ボイラーを除く。)の安全弁に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
貫流ボイラー以外の蒸気ボイラーのボイラー本体の安全弁は、弁軸を給直にしてボイラー本体の容易に検査できる位置に直接取り付けなければならない。
貫流ボイラーには、ボイラー本体と過熱器の出口付近のそれぞれに安全弁を取り付け、安全弁の吹出し総量を最大蒸発量以上にしなければならない。
過熱器には、過熱器の出口付近に過熱器の圧力を設計圧力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。
蒸気ボイラーには、安全弁を2個以上備えなければならないが、伝熱面積が5O㎡以下の蒸気ボイラーでは安全弁を1個とすることができる。
水の温度が120℃を超える温水ボイラーには、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。
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第4問
液体燃料の供給装置に関し、次のうち誤っているものはどれか。
サービスタンクは、工場内に分散する各燃焼設備に燃料油を円滑に供給する油だめの役目をするもので、フロート式の液面調節器が設けられる。
オートクリーナは、フィルタ清掃用の回転ブラシを備えた単室形のストレーナで、比較的良質の燃料油のろ過に多く用いられる。
噴燃ポンプは、燃料油をバーナから噴射するのに必要な圧力まで昇圧して供給するもので、プランジャーポンプが多く用いられる。
噴燃ポンプには、吐出し圧力の過昇を防止するため、吐出し側と吸込み側の間に逃がし弁が設けられる。
主油加熱器は、噴燃ポンプの吐出し側に設けられ、バーナの構造に合った粘度になるよう燃料油を加熱する。
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第5問
蒸気圧力1.2MPa、給水温度30℃で、発生蒸気の湿り度0.05で、蒸発量4t/hのボイラーの換算蒸発量の値に最も近いものは、次のうちどれか。ただし、絶対圧力1.3MPaの飽和水の比エンタルピは815kJ/kg、蒸発熱は1972kJ/kgとする。
3.7t/h
4.1t/h
4.5t/h
4.9t/h
5.3t/h
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第6問
単純軟化法によるボイラー補給水処理に関し、次のうち誤っているものはどれか。
単純軟化法では、給水中のシリカ及び塩素イオンを除去することができる。
軟化装置は、給水中の硬度成分を除去する最も簡単な装置で、低圧ボイラーに多く使用されている。
軟化装置による処理水の残留硬度は、貫流点を超えると著しく増加してくる。
軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂が交換能力を減じた場合、一般には食塩水で再生を行う。
軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂は、1年に1回程度鉄分による汚染などを調査し、樹脂の洗浄及び補充を行う。
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第7問
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の附属品の管理に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
燃焼ガスに触れる給水管、吹出管及び水面測定装置の連絡管は、不燃材料により保温等の措置を講じなければならない。
圧力計は、使用中その機能を害するような振動を受けることがないようにし、かつ、その内部が凍結し、又は80℃以上の温度にならない措置を講じなければならない。
蒸気ボイラーの常用水位は、ガラス水面計又はこれに接近した位置に、現在水位と比較することができるように表示しなければならない。
圧力計の目もりには、ボイラーの最高使用圧力を示す位置に見やすい表示をしなければならない。
逃がし管は、凍結しないように保温その他の措置を講じなければならない。
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第8問
鋼製蒸気ボイラー(貫流ボイラー及び小型ボイラーを除く。)の水面測定装置に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
ボイラーには、ガラス水面計を2個以上取り付けなければならないが、胴の内径が750mm以下のもの又は遠隔指示水面測定装置を2個取り付けたものでは、そのうち1個をガラス水面計でない水面測定装置とすることができる。
水柱管とボイラーを結ぶ蒸気側連絡管を、水柱管及びボイラーに取り付けるロは、水面計で見ることができる最高水位より下であってはならない。
最高使用圧力0.6MPaを超えるボイラーの水柱管は鋳鉄製としてはならない。
ガラス水面計でない水面測定装置として験水コックを設ける場合には、3個以上取り付けなければならないが、胴の内径が750mm以下で、かつ、伝熱面積が10㎡未満のボイラーでは、2個とすることができる。
験水コックは、その最下位のものを安全低水面の位置に取り付けなければならない。
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第9問
ボイラーの燃料の燃焼により発生する大気汚染物質に関し、次のうち誤っているものはどれか。
SOxは、人の呼吸器系統などの障害を起こすほか、酸性雨の原因になる。
排ガス中のNOxは、大部分がNO2である。
ばいじんの人体への影響は、呼吸器の障害であり、慢性気管支炎の発症率に重大な影響を与える。
フューエルNOxは、燃料中の窒素化合物から酸化によって生じる。
燃料を燃焼させる際に発生する固体微粒子には、すすとダストがある。
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第10問
ボイラーの通風に関し、次のうち誤っているものはどれか。
煙突によって生じる自然通風力は、煙突の高さが低いほど、また、煙突内のガス温度が高いほど、大きくなる。
人工通風は、自然通風に比べ、ボイラーなどの通風抵抗を大きくとり、管群での燃焼ガス速度を速め、伝熱特性を向上させることができる。
押込み通風は、ファンを用いて燃焼用空気を大気圧より高い圧力として炉内に押し込むもので、一般に常温の空気を取扱い、所要動力が小さいので広く用いられている。
誘引通風は、煙道又は煙突入口に設けたファンによって燃焼ガスを吸い出し煙突に放出するもので、体積の大きい熱ガスを扱うため大型ファンを要とする。
平衡通風は、押込み通風と誘引通風を併用した方式で、通常、燃焼室内を大気圧よりわずかに低い圧力に調節する。