1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第1問
単純軟化法によるボイラー補給水処理に関し、次のうち誤っているものはどれか。
単純軟化法では、給水中のシリカ及び塩素イオンを除去することができる。
軟化装置は、給水中の硬度成分を除去する最も簡単な装置で、低圧ボイラーに多く使用されている。
軟化装置による処理水の残留硬度は、貫流点を超えると著しく増加してくる。
軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂が交換能力を減じた場合、一般には食塩水で再生を行う。
軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂は、1年に1回程度鉄分による汚染などを調査し、樹脂の洗浄及び補充を行う。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第2問
熱及び蒸気に関し、次のうち誤っているものはどれか。
気体の比熱には、圧力一定で温度1℃上げる場合の定圧比熱と、体積一定で温度1℃上げる場合の定積比熱(定容比熱)とがあり、定圧比熱は定積比熱より大きい。
放射伝熱は、物体が保有する内部エネルギーの一部を電磁波の形で放出し、それが他の物体に当たり吸収される熱移動である。
圧力1MPa、温度180℃の乾き飽和蒸気を加熱して、圧力1MPa、温度230℃の過熱蒸気にしたとき、この蒸気の過熱度は27.8%である。
物体の圧力をP(Pa)、比体積をv(m3/kg)、内部エネルギーをu(J/kg)とすると、物体の比エンタルピh(J/kg)は、h=u+Pvで表される。
熱と仕事はともにエネルギーの形態で、熱量3.6MJは、電気的仕事量1kWhに相当する。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第3問
燃料及び燃焼に関し、次のうち誤っているものはどれか。
燃料を空気中で加熱し、他から点火しないで自然に燃え始める最低の温度を引火点という。
燃料を完全燃焼させた際に発生する熱量を発熱量と呼び、その単位は、液体、固体燃料の場合はMJ/kg、気体燃料の場合はMJ/m3Nである。
燃料成分の水素が燃焼して生成される水は、蒸気となり、発熱量の一部が蒸発潜熱として消費される。
高発熱量は、水の蒸発潜熱を含めた蒸発量で、総発熱量ともいう。
通常、固体燃料及び液体燃料の発熱量は断熱熱量計で、気体燃料の発熱量はユンカース式熱量計で測定する。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第4問
炉筒煙管ボイラーに関し、次のうち誤っているものはどれか。
すべての組立てを製造工場で行い、完成状態で運搬できるパッケージ形式にしたものが多い。
煙管には伝熱効果の大きいスパイラル管を用いているものが多い。
ウエットバック式は、後部煙室が胴の内部に設けられ、その周囲が水で囲まれている構造である。
戻り燃焼方式では、燃焼火炎が、炉筒前部から炉筒後部へ流れ、そして炉筒後部で反転して前方に戻る一連の流れを1パスと数える。
煙道にエコノマイザや空気予熱器を設け、ボイラー劫率が90%に及ぶものがある。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第5問
蒸気圧力1.2MPa、給水温度30℃で、発生蒸気の湿り度0.05で、蒸発量4t/hのボイラーの換算蒸発量の値に最も近いものは、次のうちどれか。ただし、絶対圧力1.3MPaの飽和水の比エンタルピは815kJ/kg、蒸発熱は1972kJ/kgとする。
3.7t/h
4.1t/h
4.5t/h
4.9t/h
5.3t/h
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第6問
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の変更届又は変更検査に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
ただし、計画届の免除認定を受けていない場合とする。
ボイラーの燃焼装置を変更しようとする事業者は、ボイラー変更届にボイラー検査証及び変更の内容を示す書面を添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
ボイラーの空気予熱器を変更しようとするときには、ボイラー変更届を所轄労働基準監督署長に提出する必要はない。
ボイラーの水管に変更を加えた者は、変更検査を受けなければならない。
所轄労働基準監督署長は、変更検査に合格したボイラーについて、ボイラー検査証に検査期日、変更部分及び検査結果について裏書を行う。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第7問
鋼製ボイラー(小型ボイラーを除く。)の安全弁に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
貫流ボイラー以外の蒸気ボイラーのボイラー本体の安全弁は、弁軸を給直にしてボイラー本体の容易に検査できる位置に直接取り付けなければならない。
貫流ボイラーには、ボイラー本体と過熱器の出口付近のそれぞれに安全弁を取り付け、安全弁の吹出し総量を最大蒸発量以上にしなければならない。
過熱器には、過熱器の出口付近に過熱器の圧力を設計圧力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。
蒸気ボイラーには、安全弁を2個以上備えなければならないが、伝熱面積が5O㎡以下の蒸気ボイラーでは安全弁を1個とすることができる。
水の温度が120℃を超える温水ボイラーには、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第8問
次の図は比例式蒸気圧力調節器の比例帯設定目盛板を示す。蒸気圧力が0.60MPaに設定され、比例帯設定指針が図の位置に設定されたとき、比例制御が行われる範囲は(1)~(5)のうちどれか。
※回路図:一級ボイラー技士教本P148「図1.10.25比例式蒸気圧力調節器(b)比例帯設定目盛板」参照
※数字の読み替えを行って下さい。MIN=0.10MPa、F=0.34MPa
>
0
0.10MPaから0.18MPa
0.10MPaから0.34MPa
0.60MPaから0.78MPa
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第9問
ボイラー取扱作業主任者の職務として、法令に定められていない事項は次のうちどれか。
1日に1回以上水面測定装置の機能を点検すること。
排出されるばい煙の測定濃度及びボイラー取り扱い中における異常の有無を記録すること。
低水位燃焼しゃ断装置、火炎検出装置その他の自動制御装置を点検し、及び調整すること。
ボイラーについて異常を認めたときは、直ちに必要な措置を講ずること。
圧力、水位及び送給している蒸気温度を監視すること。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第10問
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の附属品の管理に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
燃焼ガスに触れる給水管、吹出管及び水面測定装置の連絡管は、不燃材料により保温等の措置を講じなければならない。
圧力計は、使用中その機能を害するような振動を受けることがないようにし、かつ、その内部が凍結し、又は80℃以上の温度にならない措置を講じなければならない。
蒸気ボイラーの常用水位は、ガラス水面計又はこれに接近した位置に、現在水位と比較することができるように表示しなければならない。
圧力計の目もりには、ボイラーの最高使用圧力を示す位置に見やすい表示をしなければならない。
逃がし管は、凍結しないように保温その他の措置を講じなければならない。