介護福祉士 国家試験 の 10門
第1問
Lさん(45歳、男性)は30歳の頃ころ、統合失調症(schizophrenia)と診断された。両親と弟がいるが、関係が悪く、現在は両親の家の近くにアパートの一室を借りて住んでいる。精神状態が悪くなると、誰だれかが襲ってくると思い込み、部屋から一歩も出ることができなくなる。その結果、部屋のゴミがいっぱいで、Lさんが寝る場所以外はゴミで埋められていた。心配した母親は相談支援専門員に状況を話した。相談支援専門員が、Lさんに障害支援区分の認定を受けてもらったところ、区分3と判定された。A訪問介護員が派遣されることになった。LさんはA訪問介護員が部屋に入ることは受け入れたが、家事の支援は受け入れなかった。A訪問介護員は粘り強くLさんの話を聞き、「Lさんのいる場所と私がいる場所くらいは作りたい」と伝えた。その結果、Lさんと一緒にゴミを少し片づけることができた。A訪問介護員は、Lさんの定期的な通院にも付き添うことができるようになった。Lさんは服薬もしっかりとするようになってきた。
精神状態が悪くなったときのLさんの症状として、正しいものを1つ選びなさい。
幻覚
妄想
せん妄(delirium)
思考途絶
感情鈍麻
介護福祉士 国家試験 の 10門
第2問
Aさん(74歳、男性)は、一人暮らしをしている。軽度の認知症があり、訪問介護を利用している。一年前から近所に住んでいる親族に預金通帳の管理を頼んでいる。最近、家事援助のためにAさん宅を訪れた訪問介護員は、Aさんから、「親族が勝手にお金を使いこんでいるらしい」と聞いた。訪問介護員がサービス提供責任者と共に、最初に取り組むべきこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。
成年後見制度の利用をすすめる
民生委員に相談するように勧める
親族に事実を確認する
特別養護老人ホームへの入所を勧める。
地域包括支援センターに相談する。
介護福祉士 国家試験 の 10門
第3問
入浴による静水圧の直接的な作用として、最も適切なものを1つ選びなさい。
毛細血管の拡張
関節への負担の軽減
下肢のむくみの軽減
体重による負担の軽減
老廃物の排泄の促進
介護福祉士 国家試験 の 10門
第4問
地域における様々な事業主体やサービス提供主体に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
共同募金は、都道府県の区域を単位として行う寄附金の募集であって、地域福祉の推進を図るためのものである。
NGOは、営利を直接の目的とはせず、都道府県知事の認証を得て、在宅福祉サービス事業などの社会活動を行う団体である。
NPOは、国際人道支援などの社会的活動を行う機関である。
企業の社会的責任による社会貢献は、商品を安い価格で販売するなどの経済活動によって行われる。
コミュニティビジネスとは、市町村が主体となって、まちづくり・環境問題・介護・子育てなどの地域の様々な課題をビジネスの手法で解決するものである。
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第5問
睡眠に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
ヒトは下垂体に体内時計がある。
抗ヒスタミン薬は覚醒作用がある。
睡眠は深さよりも長さが重要となる。
レム睡眠は30分ごとに繰り返し出現する。
最も深い眠りの段階はノンレム睡眠である。
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第6問
介護福祉職が行う報告に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
状況を詳細に述べてから結論を報告する。
自分の主観的意見を中心に報告する。
報告の内容にかかわらず、報告のタイミングは上司の都合に合わせる。
指示を受けた仕事の報告は、指示者へ行う。
抽象的な表現に整理して報告する。
介護福祉士 国家試験 の 10門
第7問
介護老人福祉施設での終末期の事前の意思確認として、適切なものを1つ選びなさい。
90歳を超えれば、事前の意思確認は必要ない。
本人が意思表示できれば、家族の意向は確認しない。
入所時の意思を尊重して変更しない。
介護職が、医療処置の範囲を説明して了解を得る。
確認した内容を書面にする。
介護福祉士 国家試験 の 10門
第8問
歩行のための福祉用具に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
歩行器は、杖に比べて安定性がある。
歩行器型杖(ウォーカーケイン)は、歩行が比較的安定している場合に用いる。
シルバーカーは、自立歩行ができない場合に使用する。
ロフストランドクラッチ(Lofstrand crutch)は、関節リウマチ(rheumatoid arthritis)がある人に適している。
固定式歩行器は、左右のフレームを交互に持ち上げて使用する。
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第9問
介護過程の評価の実施に責任を持つものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
利用者
家族
介護福祉職
医療関係者
行政機関
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第10問
ボディメカニクスを活用したベッド上の移動介護に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
臥位から座位への介護では、利用者の腰部を支点にする。
介護職の重心と利用者の重心との距離は、離れている方が良い。
利用者の身体とベッドの接する面積を狭くする。
水平移動では、介護職はベッドの端に両肘をつける。
腰痛予防のため、介護職は主に腕の筋力を活用する。