介護福祉士 国家試験 の 10門
第1問
Lさん(45歳、男性)は30歳の頃ころ、統合失調症(schizophrenia)と診断された。両親と弟がいるが、関係が悪く、現在は両親の家の近くにアパートの一室を借りて住んでいる。精神状態が悪くなると、誰だれかが襲ってくると思い込み、部屋から一歩も出ることができなくなる。その結果、部屋のゴミがいっぱいで、Lさんが寝る場所以外はゴミで埋められていた。心配した母親は相談支援専門員に状況を話した。相談支援専門員が、Lさんに障害支援区分の認定を受けてもらったところ、区分3と判定された。A訪問介護員が派遣されることになった。LさんはA訪問介護員が部屋に入ることは受け入れたが、家事の支援は受け入れなかった。A訪問介護員は粘り強くLさんの話を聞き、「Lさんのいる場所と私がいる場所くらいは作りたい」と伝えた。その結果、Lさんと一緒にゴミを少し片づけることができた。A訪問介護員は、Lさんの定期的な通院にも付き添うことができるようになった。Lさんは服薬もしっかりとするようになってきた。
Lさんは移動のときに見守りが必要である。Lさんの定期的な通院に付き添うことが可能となるサービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
居宅介護
同行援護
生活介護
自立訓練
療養介護
介護福祉士 国家試験 の 10門
第2問
片麻痺のある利用者が着脱できる衣服を選択するときの助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
留めるボタンが小さいブラウスを勧める。
かぶり式のセーターを勧める。
股上の浅いスラックスを勧める。
伸縮性のないスラックスを勧める。
ウエストをひもで結ぶスラックスを勧める。
介護福祉士 国家試験 の 10門
第3問
介護記録に関する記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
予測できることは事前に記録する。
家族の言動は記録しない。
介護職が判断した内容も記録する。
利用者の気持ちを憶測して記録する。
介護計画どおりに実施した場合は記録しない。
介護福祉士 国家試験 の 10門
第4問
右片麻痺があり一部介助があれば歩行できる利用者の入浴介護として、適切なものを1つ選びなさい。
浴室内では、介護職は利用者の左側に付き、腕と腰を支えながら一緒に移動する。
浴室の出入り口に一段の段差がある場合は、左足から下がり、右足から上がる。
浴槽に入るときは、まず右足を入れ、次に左足を入れる。
浴槽から出るときは、浴槽の縁やバスボードにいったん座る。
介護職が利用者の全身を洗う。
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第5問
ボディメカニクスの基本原則に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
介護者の支持基底面積は、狭くとる方が身体は安定する。
介護者は体幹をねじらず、足先を移動の方向に向ける。
介護者は大きな筋群よりも、指先や腕の力を使う。
介護者は重心を、できるだけ高くする。
利用者の身体をベッド上で水平移動する場合は、背部が接する面積を広くする。
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第6問
同一施設内で他職種が参加して行うカンファレンス(conference)の運営について、最も適切なものを1つ選びなさい。
取り上げる議題は、利用者の支援内容を確認することに限定する。
会議資料は、事前に配布しないのが原則である。
司会者は、介護支援専門員(ケアマネジャー)と決められている。
カンファレンス(conference)の場を、職員のスーパービジョン(supervision)の機会としてよい。
多くの職員が参加しやすいように、カンファレンス(conference)は勤務時間外に設定する。
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第7問
高次脳機能障害(higher brain dysfunction)の原因疾患として、正しいものを1つ選びなさい。(高次脳機能障害の原因の脳炎は新出問題)
ダウン症候群(Down’s syndrome)
アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)
自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)
統合失調症(schizophrenia)
脳炎(encephalitis)
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第8問
認知症(dementia)の行動・心理症状(BPSD)の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
傘立ての傘を人間と間違えるのは、幻視である。
感情を抑えられないのは、感情失禁である。
食欲が異常に亢進するのは、異食である。
夕方になると傾眠状態になるのは、夕暮れ症候群である。
目的もなくあちこち歩くのは、常同行動である。
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第9問
認知症(dementia)と比較した場合のせん妄(delirium)の特徴として、正しいものを1つ選びなさい。
ゆるやかに発症する。
徐々に進行、悪化していく。
覚醒水準の低下を伴うことは少ない。
幻覚を伴うことは少ない。
日内変動を認めることが多い。
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第10問
Dさん(98歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。終末期を迎え、座位が困難でベッドで臥床している。医師は、死に至るまで1週間程度と予測している。呼びかけには目を開けて反応して、表情が変わることもある。食事は、アイスクリームや水分をわずかにとる程度である。Dさんは、以前からここで最期の時を安らかに過ごしたいと希望している。家族もそれを望んでいて、毎日、居室を訪れている。家族は延命措置を希望していない。介護職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
いつもテレビをつけたままにしておく。
居室内のポータブルトイレで排泄できるように介助する。
家族に、胃ろうの造設を医療関係者に相談するように促す。
家族とゆっくりと過ごす時間をもてるように、居室環境を整える。
声かけのたびに。頑張って長生きするように励ます。