介護福祉士 国家試験 の 10門
第1問
Fさんは10年前、パーキンソン病(Parkinson disease)と診断された。ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)全般に、動作がゆっくり時間がかかる。Fさんは大柄だが、長女は小柄でやせており、入浴介助が難しい。訪問介護(ホームヘルプサービス)を週3回(入浴介助、長女が留守の時の調理)、通所リハビリテーションを週1回、配食サービスを週1回利用している。居宅介護サービス計画の方針は、Fさんの体調に考慮しながら、住み慣れた自宅で安心して暮らせるように支援することである。ある日、長女から「お弁当を食べていないことが時々ある」「お父さんが重くて腰が痛い」「そろそろ施設入所を考えている」と話があった。訪問介護員(ホームヘルパー)はFさんの声が小さく、言葉がはっきりせず聞き取りにくくなったと感じている。
訪問介護員(ホームヘルパー)は、居宅介護サービス計画の変更を提案したいと考えている。Fさんの主観的情報を得る方法として、正しいものを1つ選びなさい。
体重を測定する。
Fさんの考えを聞く。
食事摂取量を確認する。
表情から気持ちを推測する。
長女に息子の協力の有無を聞く。
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第2問
自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)のあるEちゃん(5歳)とのコミュニケーションとして、適切なものを1つ選びなさい。
「水筒にもっとたくさん水を入れてね」
「Eちゃんがいい子にしていたら、遊園地に連れて行ってあげます」
「手を洗って、ご飯を食べて、歯を磨いてから遊園地に行こうね」
「片付けが終わらないと、遊園地に連れて行きませんよ」
「Eちゃんは、これから遊園地に行きます」
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第3問
Cさん(83歳、女性)は、昨年、夫を亡くしてから一人暮らしをしている。ここ半年ほど自宅に閉じこもっていることが多く、他者との交流が減っている。一人息子は、他県で家庭を築いている。以前、夫が利用していた通所介護(デイサービス)事業所に、ある日、Cさんから次のような電話が入った。「物忘れが多くなり、心配になって受診したところ軽度認知障害(mild cognitive impairment)だと言われた。認知症(dementia)で判断が出来なくなる前に、いろいろ整理しておきたい。夫も先に逝っていることだし、運命を静かに受け入れようと思う」
電話を受けた介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
心配ないから気にしないように励ます。
他県に住む息子と同居することを勧める。
成年後見制度を紹介する。
居宅介護サービスの利用を勧める。
地域包括支援センターを紹介する。
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第4問
行動・心理症状(BPSD)のある認知症(dementia)の人への介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
「何もやる気がしない」に対して、励ます。
「失敗しそうで怖い」に対して、かかわりを少なくする。
「財布を盗まれた」に対して、利用者と話し合う。
「亡くなった人が立っている」に対して、受容する。
「夫が呼んでいるので家に帰りたい」に対して、帰らないように指示する。
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第5問
Fさん(80歳、女性)は、2週間前に、リハビリテーション病院から介護老人保健施設に入所した。脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症のため、構音障害と嚥下障害がある。また、よだれが流れて衣服が濡れてしまうことが多い。食事は、とろみをつけた刻み食を1人で摂取できるが、むせることが多い。介護職がFさんに「何を食べたいですか」と尋ねると、「おいうをあえあい」(「お肉を食べたい」の意味)という不明瞭な発話が返ってきた。
Fさんの食事場面でのコミュニケーションに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
絶えず話しかける。
メニューを説明する程度の声かけにとどめる。
急いで飲み込むように促す。
今までで、いちばん思い出に残る食事は何かを聞く。
一口ごとに、必ず水を飲むように促す。
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第6問
内閣府が2010年(平成22年)に実施した「高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」の「自宅における転倒事故」に関する回答の中で、転倒が最も多かった場所として、正しいものを1つ選びなさい。
玄関・ホール・ポーチ
居間・茶の間・リビング
庭
便所
浴室
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第7問
認知症疾患医療センターに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
認知症患者が入院できる精神科病院のことである。
認知症専門医と作業療法士の配置が義務づけられている。
認知症(dementia)の人の要介護認定を行う。
認知症(dementia)の人の成年後見人を選ぶ。
地域の認知症医療の連携を強化する役割をもつ。
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第8問
介護保険法に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
法の施行前は、国が高齢化対策に関しての計画を策定することはなかった。
家族の自助努力による介護の推進を基本としている。
保険給付は、介護給付と予防給付の2種類である。
国民の共同連帯の理念に基づくものである。
介護サービスの提供主体を社会福祉法人に限定している。
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第9問
高齢者の肺炎(pneumonia)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
日本の高齢者(65歳以上)の死因順位(2011年(平成23年))で第一位である。
インフルエンザ(influenza)に合併することはまれである。
初発症状は高熱である。
呼吸数は減少する。
誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)の予防には口腔ケアが有効である。
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第10問
Dさん(98歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。終末期を迎え、座位が困難でベッドで臥床している。医師は、死に至るまで1週間程度と予測している。呼びかけには目を開けて反応して、表情が変わることもある。食事は、アイスクリームや水分をわずかにとる程度である。Dさんは、以前からここで最期の時を安らかに過ごしたいと希望している。家族もそれを望んでいて、毎日、居室を訪れている。家族は延命措置を希望していない。介護職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
いつもテレビをつけたままにしておく。
居室内のポータブルトイレで排泄できるように介助する。
家族に、胃ろうの造設を医療関係者に相談するように促す。
家族とゆっくりと過ごす時間をもてるように、居室環境を整える。
声かけのたびに。頑張って長生きするように励ます。