介護福祉士 国家試験 の 10門
第1問
老年期の精神疾患(mental disease)と精神症状に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
老年期うつ病(senile depression)は、若年者のうつ病(depression)と比べて抑うつ気分が軽い。
アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)は、脳の器質的変化を伴わない。
うつ病(depression)等で自殺を試みた高齢者が死に至る率は、若年者の場合と比べて低い。
せん妄(delirium)は夜間よりも昼間に生じやすい。
老年期に発病した統合失調症(schizophrenia)は、妄想型が少ない。
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第2問
2003年(平成15年)に高齢者介護研究会が示した、「2015年の高齢者介護~高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて~」に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
高齢者介護においては、高齢者の尊厳の保持よりも日常生活における身体的な自立への支援が優先される。
介護保険は、高齢者の自立支援を目指すものであるが、おの根底にあるのは「介護者の負担の軽減」である。
高齢者が施設に入所した場合、環境や集団生活に効率的に適応するように、それまでの生活習慣を見直すことが望ましい。
認知症高齢者のケアの基本として、本人の生活の仕方や潜在する力を周囲が大切にしなければならない。
介護サービスの質を占示す自立支援の効果測定を行う既存の標準的な尺度を、今後とも使用することが望ましい。
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第3問
ICT(Information and Communications Technology : 情報通信技術)を使った介護記録と情報管理の留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
USBフラッシュメモリは、紛失や盗難の危険性が低い。
記録者以外が、入力したデータを修正してもよい。
データは気づいた時にバックアップ(backup)すればよい。
ウイルス対策ソフトを用いても、情報は漏れることがある。
パスワードは変更しない。
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第4問
Bさん(80歳、女性)はアパートの3階に一人で暮らしている。アパートにはエレベーターはない。5年前、階段で転倒し、右みぎ大腿骨頭だいたいこっとう置換術ちかんじゅつを行った。現在、歩行には問題がない。社交的であったが、最近外出の回数が減った。友人が転んで大けがをしたこともあり「転びそうで怖い」と言っている。
Bさんへの生活支援の課題として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
アパートにエレベーターがないこと。
転倒の不安があること。
一人暮らしであること。
手術の既往があること。
外出の機会が減っていること。
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第5問
プロダクティブ・エイジング(productive aging)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
バルテス(Baltes,P.)が最初に提唱した。
高齢者の経済的自立を目指した概念である。
エイジズム(ageism)による高齢者のとらえ方を肯定した概念である。
主観的幸福感とは無関係である。
プロダクティブ(productive)な活動には、セルフケア(self-care)が含まれる。
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第6問
ICIDH(International Classification of Impairments, Disabilities and Handicaps : 国際障害分類)からICF(International Classification of Functioning, Disability and Health : 国際生活機能分類)への変遷に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
ICIDHは、機能・形態障害の分類が不十分という指摘があった。
医学モデルから社会モデルへの転換として、ICFを位置づけた。
ICIDHは、身体障害に適合できない部分があるという批判があり、ICFが開発された。
ICIDHにおける能力障害を、ICFでは参加制約に置き換えた。
ICIDHよりも、環境及び環境と個人の相互作用を重視したモデルとしてICFが提案された。
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第7問
栄養素に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
糖質は、細胞質の主成分となる。
脂質は、ホルモン(hormone)の原料となる。
カリウム(K)は、血圧を上げる。
ビタミンA(Vitamin A)は水溶性である。
ビタミンE(Vitamin E)は、腸管からのカルシウム(Ca)の吸収を促進する。
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第8問
地域で高齢者虐待防止ネットワーク構築の中心になる機関として、最も適切なものを1つ選びなさい。
福祉事務所
老人福祉施設
民生委員協議会
警察署
地域包括支援センター
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第9問
Kさん(65歳)は、夫(70歳)と二人暮らしをしていた。Kさんは骨粗鬆症(osteoporosis)と診断を受けていたが、最近、約束していたことを忘れるなどの記憶力の低下や人格の変化がみられるようになり、前頭側頭型認知症(Front Temporal Dementia)と診断され、要介護認定で要介護3となった。夫は体調を崩して、近所の病院に入院することになった。夫が介護支援専門員(ケアマネージャー)に相談して、Kさんは、夫の入院する病院に併設されている施設に入所した。この施設は、看護、医学的管理の下に介護や機能訓練などを実施している。Kさんは施設入所後、介護職の問いかけに返事をしなかったり、急に服を脱ぎ出すなどの行動を繰り返した。日常生活では、すべての動作に見守りと声かけが必要な状態であった。
夫は体調が回復して退院した。その2日後、夫はしせつをたずねた。夫とKさんが廊下を歩いていると、Kさんは急にバランスを崩し、尻もちをついて転倒した。その時、手はつかなかった。Kさんの状況から、最も骨折(fracture)しやすい部位として、適切なものを1つ選びなさい。
橈骨
鎖骨
上腕骨
脊椎
肩甲骨
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第10問
高齢者の身体機能の変化に対応した食事の提供方法として、適切なものを1つ選びなさい。
味覚の低下に対しては、調味料を多用する。
唾液分泌の低下に対しては、主食をパンにする。
腸の蠕動運動の低下に対しては、根菜類を積極的に取り入れる。
咀嚼力の低下に対しては、肉料理を控える。
口渇感の低下に対しては、酸味のある味付けにする。