クレーン・デリック運転士試験(ク) の 10門
第1問
電動機の始動方法又は速度制御方式に関し、次のうち誤っているものはどれか。
かご形三相誘導電動機を用いる巻上装置の始動を行うときは、通常、全電圧始動を行う。
巻線形三相誘導電動機は、始動時には二次抵抗を全抵抗から順次短絡することによって、緩始動することができる。
巻線形三相誘導電動機の電動油圧押上機ブレーキ制御は、90kW程度以下の電動機の速度制御に用いられている。
巻線形三相誘導電動機の渦電流ブレーキ制御は、荷の巻下げ時の低速を得る電気ブレーキで、非自動制御と自動制御の二つの方法がある。
巻線形三相誘導電動機のダイナミックブレーキ制御は、電動機一次側を直流励磁して制動する方式で、つり荷が重い場合には低速での巻下げができない。
クレーン・デリック運転士試験(ク) の 10門
第2問
クレーンに関する用語について、次のうち誤っているものはどれか。
天井クレーンで、トロリがガーダに沿って移動する運動を横行という。
ジブクレーンで、ジブがセンターポストを軸として回る運動を起伏という。
ケーブルクレーンで、トロリがメインロープに沿って移動することを横行という。
橋形クレーンで、クレーン全体が移動する運動を走行という。
クレーンの各種運動を組み合わせてつり荷を移動できる範囲を作業範囲という。
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第3問
クレーンの電動機の始動方法又は速度制御方式に関し、次のうち誤っているものはどれか。
かご形三相誘導電動機では、電源回路にリアクトルやサイリスターを挿入し電動機の始動電流をおさえて、緩始動を行う方法がある。
巻線形三相誘導電動機の二次抵抗制御は、電動機の回転子の巻線に接続した抵抗器の抵抗値を変えることにより速度制御を行う。
巻線形三相誘導電動機の電動油圧押上機ブレーキ制御は、90kW程度以下の電動機の速度制御に用いられるが、高頻度のクレーンには適さない。
巻線形三相誘導電動機の渦電流ブレーキ制御は、電気的なブレーキのためブレーキライニングのような消耗部分がなく、制御性も優れている。
巻線形三相誘導電動機のダイナミックブレーキ制御は、電動機一次側を直流励磁して制御するもので、つり荷が極めて軽い場合でも低速での巻下げができる。
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第4問
図のような組合せ滑車を用いて質量8tの荷をつり上げるとき、これを支えるために必要な力Fは、1~5のうちどれか。ただし、重力の加速度は9.8m/s
2
とし、滑車及びワイヤロープの質量、摩擦等は考えないものとする。
15.7N
15.7kN
19.6N
19.6kN
26.1N
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第5問
クレーンの機械要素に関し、次のうち誤っているものはどれか。
転がり軸受は、滑り軸受(平軸受)に比べて回転部分の摩擦抵抗が大きい。
割形軸継手は、取付け・取外しのときに軸を軸方向に移動する必要がない。
フランジ形たわみ軸継手は、起動及び停止時の衝撃や荷重変化によるたわみの影響を緩和するために用いられる。
溝付きナットは、緩みを防ぐためにナットに溝を付け、ボルトのねじ部にあけられた小穴に割ピンを差し込み固定させるものである。
ウォームギヤーは、ウォームとこれにかみ合うウォームホイールを組み合わせたもので、被動軸の方向は駆動軸に対し直角となる。
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第6問
クレーンの給油又は点検に関し、次のうち誤っているものはどれか。
クレーンを点検するときは、そのクレーンの電源スイッチを切り、「通電禁止」等の表示をする。
潤滑油としてギヤ油を用いた減速機箱の場合、箱内が密封されているので油の交換は不要である。
クレーンの点検は一般に高所作業となるので、安全帯及び保護帽を着用する。
点検作業を開始する前に、点検内容、所要時間等を関係者に周知徹底される。
点検中のクレーンの近くで他のクレーンを運転するときは、点検中のクレーンへの衝突を防止するための措置が講じられていることを確認する。
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第7問
クレーン・デリック運転士免許に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
つり上げ荷重15tの引込みクレーンの運転の業務に従事するときは、免許証を携帯しなければならない。
免許に係る業務に現に就いている者は、住所を変更したときは、免許証の書替えを受けなければならない。
免許証を他人に譲渡又は貸与したときは、免許の取消し又は効力の一時停止の処分を受けることがある。
重大な過失により、免許に係る業務について重大な事故を発生させたときは、免許の取消し又は効力の一時停止の処分を受けることがある。
免許に係る業務に現に就いている者は、免許証を滅失したときは、免許証の再交付を受けなければならない。
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第8問
屋内に設置する走行クレーンに関し、法令上、違反となるものは、次のうちどれか。
クレーンガーダに歩道のないクレーンの最高部とその上方にあるはり等との間隔を0.3mとしている。
クレーンガーダの歩道とその上方にあるはり等との間隔を1.8mとしている。
クレーンと建築物との間に設ける歩道の幅を、柱に接する部分を除き0.5mとしている。
クレーンと建築物との間に設ける歩道のうち、柱に接する部分の幅を0.4mとしている。
クレーンの運転室の端とその運転室に通ずる歩道の端との間隔を0.3mとしている。
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第9問
クレーンを用いて作業を行うときの合図、立入禁止の措置又は搭乗の制限に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
ハッカー2個を用いて玉掛けをした荷がつり上げられているとき、つり荷の下に労働者を立ち入らせることは禁止されていない。
クレーン運転者と玉掛け作業者に作業を行わせるときは、運転について一定の合図を定めなければならない。
クレーン運転者と玉掛け作業者に作業を行わせるときは、運転について合図を行う者を指名しなければならない。
クレーン運転者に単独で作業を行わせるときは、運転についての合図を定めなくてもよい。
原則として、クレーンにより、労働者を運搬し、又は労働者をつり上げて作業させてはならない。
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第10問
材料(軟鋼)の強さ、応力に関し、次のうち誤っているものはどれか。
材料に荷重をかけると、荷重に応じて変形が生じるが、荷重がごく小さい間は荷重を取り除くと元の形に戻る。
安全な静荷重より小さな荷重であっても、くり返し負荷すると、材料は疲労破壊することがある。
材料に圧縮荷重をかけると、材料の内部に圧縮応力が生じる。
引張応力は、材料に作用する引張荷重を材料の表面積で除して求められる。
材料に力を加えて変形した場合、変形した量の元の量に対する割合をひずみという。