クレーン・デリック運転士試験(ク) の 10門
第1問
クレーンの使用に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
クレーンは、原則として、定格荷重をこえる荷重をかけて使用してはならない。
クレーンの運転者を、荷をつったままで運転位置から離れさせてはならない。
作業指揮者の指揮のもとに、ジブクレーンを使用して作業するときは、クレーン明細書に記載されているジブの傾斜角の範囲をこえて使用することができる。
クレーン検査証を受けたクレーンを用いて作業を行うときは、当該作業を行う場所に、クレーン検査証を備え付けておかなければならない。
クレーンの直働式の巻過防止装置は、つり具等の上面とドラム等の下面との間隔が0.05m以上になるよう調整しておかなければならない。
クレーン・デリック運転士試験(ク) の 10門
第2問
材料(軟鋼)の強さ、応力に関し、次のうち誤っているものはどれか。
材料に荷重をかけると、荷重に応じて変形が生じるが、荷重がごく小さい間は荷重を取り除くと元の形に戻る。
安全な静荷重より小さな荷重であっても、くり返し負荷すると、材料は疲労破壊することがある。
材料に圧縮荷重をかけると、材料の内部に圧縮応力が生じる。
引張応力は、材料に作用する引張荷重を材料の表面積で除して求められる。
材料に力を加えて変形した場合、変形した量の元の量に対する割合をひずみという。
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第3問
クレーンの構造部分に関し、次のうち誤っているものはどれか。
ガーダには、作用する荷重に対し十分な強度と剛性を持つように、各種の断面形状のものがある。
プレートガーダは、三角形に組んだ部材を単位とする骨組構造で強度が大きい。
ボックスガーダは、鋼板を箱形に組み立てたもので、その断面のみで水平力を支えることができるため補助けたは不要である。
Iビームガーダは、I形鋼を用いたガーダで、補助けたを設けないこともある。
天井クレーンのサドルは、ガーダを支え、走行のための車輪を備えた構造物である。
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第4問
クレーンの給油又は点検に関し、次のうち誤っているものはどれか。
クレーンに使用する潤滑油には、グリースやギヤ油があり、軸受部には主にグリースが用いられる。
潤滑油としてギヤ油を用いた減速機箱の場合、箱内が密封されているので油の交換は不要である。
クレーンの点検は一般に高所作業となるので、安全帯及び保護帽を着用する。
点検作業を開始する前に、点検内容、所要時間等を関係者に周知徹底させる。
点検中のクレーンの近くで他のクレーンを運転するときは、点検中のクレーンへの衝突を防止するための措置が講じられていることを確認する。
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第5問
電気機器の故障の原因、電気計器の使用方法に関し、次のうち誤っているものはどれか。
電動機が起動した後、回転数が上がらない場合の原因の一つとして、電源の電圧降下が大きいことがあげられる。
電動機が振動する場合の原因の一つとして、締付けボルトに緩みがあることがあげられる。
電磁ブレーキの利きが悪い場合の原因の一つとして、コイルが断線していることがあげられる。
交流用の電圧計や電流計は、一般に電圧又は電流の最大値ではなく、実効値で目盛られている。
回路計(テスター)は、直流電圧、交流電圧、直流電流などを、スイッチを切り替えることによって計測できる計器である。
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第6問
図のような「てこ」において、A点に力を加えて、質量60kgの荷を持ち上げるとき、これを支えるために必要な力Pは、1~5のうちどれか。ただし、重力の加速度は9.8m/s
2
とし、「てこ」及びワイヤロープの質量は考えないものとする。
147N
147kN
196N
196kN
294N
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第7問
電動機の始動方法又は速度制御方式に関し、次のうち誤っているものはどれか。
かご形三相誘導電動機を用いる巻上装置の始動を行うときは、通常、全電圧始動を行う。
巻線形三相誘導電動機は、始動時には二次抵抗を全抵抗から順次短絡することによって、緩始動することができる。
巻線形三相誘導電動機の電動油圧押上機ブレーキ制御は、90kW程度以下の電動機の速度制御に用いられている。
巻線形三相誘導電動機の渦電流ブレーキ制御は、荷の巻下げ時の低速を得る電気ブレーキで、非自動制御と自動制御の二つの方法がある。
巻線形三相誘導電動機のダイナミックブレーキ制御は、電動機一次側を直流励磁して制動する方式で、つり荷が重い場合には低速での巻下げができない。
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第8問
電動機に関し、次のうち誤っているものはどれか。
巻線形三相誘導電動機は、回転子も巻線になっており、スリップリングを通して外部抵抗と接続される。
三相誘導電動機の同期速度は、極数が多いほど速くなる。
直流電動機は、一般に速度制御性能が優れているが、整流子及びブラシの保守が必要である。
巻線形三相誘導電動機では、固定子側を一次側、回転子側を二次側と呼ぶ。
かご形三相誘導電動機は、インバーター制御を採用することで比較的大容量のクレーンにも用いられる。
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第9問
クレーンの運転又は玉掛けの業務に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
クレーンの運転の業務に係る特別の教育を受けた者は、つり上げ荷重4tの床上運転式クレーンの運転の業務に就くことができる。
床上運転式クレーンに限定したクレーン・デリック運転士免許を受けた者は、つり上げ荷重10tの床上運転式クレーンの運転の業務に就くことができる。
床上操作式クレーン運転技能講習を修了した者は、つり上げ荷重4tの天井クレーンの運転の業務に就くことができる。
限定なしのクレーン・デリック運転士免許を受けた者は、つり上げ荷重2tの床上操作式クレーンの玉掛けの業務に就くことができる。
クレーンに限定したクレーン・デリック運転士免許を受けた者は、つり上げ荷重5tの跨線テルハの運転の業務に就くことができる。
クレーン・デリック運転士試験(ク) の 10門
第10問
物体の運動に関し、次のうち誤っているものはどれか。
物体が速さや向きを変えながら運動する場合、その変化の程度を示す量を速度という。
物体が円運動をしているとき、遠心力は、物体の質量が大きいほど、また、速く回っているほど大きくなる。
物体に加速度が生じるとき、次第に速度が増加する場合を正の加速度、減少する場合を負の加速度という。
物体には、外から力が作用しない限り、静止しているときは静止の状態を、運動しているときは同一の運動の状態を続けようとする性質がある。
荷をつった状態でクレーンのジブを旋回させると、荷は旋回する前の作業半径より大きい半径で回るようになる。