潜水士 の 10問
第1問
特殊な環境下における潜水に関し、次のうち誤っているものはどれか。
暗渠内潜水は、非常に危険であるので、潜水作業者は豊富な潜水経験と高度な潜水技術、精神的な強さが必要とされる。
冷水中では、ウェットスーツよりドライスーツの方が体熱の損失が少ない。
河川での潜水では、流れの速さに特に注意する必要があり、命綱(ライフライン)を使用したり、装着するウエイト重量を増やす。
寒冷地での潜水では、送気ホースが凍結したり、呼吸器のデマンドバルブ部分が凍結することがあるので、水温のほか気温の低下にも注意する必要がある。
山岳部のダムなど高所域での潜水では、海面に比べて環境圧が低いので、通常の海洋での潜水よりも減圧浮上時間は短くできる。
潜水士 の 10問
第2問
潜水によって生じる圧外傷に関し、次のうち正しいものはどれか。
圧外傷は、潜降・浮上いずれのときでも生じ、潜降時のものをブロック、浮上時のものをスクィーズと呼ぶ。
潜降時の圧外傷は、潜降による圧力変化のために体腔の容積が増えることで生じ、中耳腔や副鼻腔又は面マスクの内部や潜水服と皮膚の間などで生じる。
浮上時の圧外傷は、浮上による圧力変化のために体腔の容積が減少することで生じ、副鼻腔や肺などで生じる。
深さ1.8mのような浅い場所での潜水でも圧外傷が生じることがある。
潜降時の耳の圧外傷を防ぐためには、耳栓をする。
潜水士 の 10問
第3問
潜水業務に常時従事する労働者に対して行う高気圧業務健康診断に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
雇入れの際、潜水業務への配置替えの際及び定期に、一定の項目について、医師による健康診断を行わなければならない。
定期の健康診断は、潜水業務に就いた後6か月以内ごとに1回行わなければならない。
水深10m未満の場所で潜水業務に常時従事する労働者についても、健康診断を行わなければならない。
健康診断結果に基づいて、高気圧業務健康診断個人票を作成し、これを5年間保存しなければならない。
雇入れの際及び潜水業務への配置替えの際の健康診断を行ったときは、遅滞なく、高気圧業務健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。
潜水士 の 10問
第4問
潜水士免許に関する次の【A】から【D】までの記述について、法令上、誤っているものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
【A】水深10m未満での潜水業務については、免許は必要でない。
【B】満18歳に満たない者は、免許を受けることができない。
【C】故意又は重大な過失により、潜水業務について重大な事故を発生させたときは、免許の取消し又は免許の効力の一時停止の処分を受けることがある。
【D】免許証を紛失又は損傷したときは、免許証再交付申請書を労働基準監督署長に提出して免許証の再交付を受ける。
A、B
A、C
A、D
B、C
B、D
潜水士 の 10問
第5問
ヒトの循環器系に関し、次のうち誤っているものはどれか。
心臓は左右の心室と心房、すなわち四つの部屋に分かれており、血液は左心室から体全体に送り出される。
末梢組織から二酸化炭素や老廃物を受けとった血液は、毛細血管から静脈、大静脈を通って心臓の右心房に戻る。
大動脈及び肺動脈を流れる血液は、酸素に富む動脈血である。
心臓の左右の心房の間が卵円孔開存で通じていると、減圧症を引き起こすおそれがある。
大動脈の根元から出た冠状動脈は、心臓の表面を取り巻き、心筋に酸素と栄養素を供給する。
潜水士 の 10問
第6問
スクーバ式潜水における潜降の方法等に関し、次のうち誤っているものはどれか。
船の舷から水面までの高さが1.5mを超えるときは、船の甲板等から足を先にして水中に飛び込まない。
潜行の際は、口にくわえたレギュレーターのマウスピースに空気を吹き込み、セカンドステージの低圧室とマウスピース内の水を押し出してから、呼吸を開始する。
潜降時、耳に圧迫感を感じたときは、2~3秒その水深に止まって耳抜きをする。
マスクの中に水が入っていたときは、深く息を吸い込んでマスクの下端を顔に押し付け、鼻から強く息を吹き出してマスクの上端から水を排出する。
潜水中の遊泳は、一般に両腕を伸ばして体側につけて行うが、視界のきかないときは腕を前方に伸ばして遊泳する。
潜水士 の 10問
第7問
気体の性質に関し、次のうち正しいものはどれか。
ヘリウムは、密度が極めて小さく、他の元素と化合しやすい気体で、呼吸抵抗は少ない。
窒素は、化学的に安定した不活性の気体であり、高圧下でも麻酔性などの問題は生じない。
二酸化炭素は、空気中に0.03%~0.04%程度の割合で含まれている無色、無臭の気体で、人の呼吸の維持に微量必要なものである。
酸素は、無色、無臭の気体で、生命維持に必要不可欠なものであり、空気中の酸素濃度が高ければ高いほど人体にはよい。
一酸化炭素は、物質の不完全燃焼などによって生じ、無色の有毒な気体であるが、異臭をもつため発見は容易である。
潜水士 の 10問
第8問
特殊な環境下における潜水に関し、次のうち正しいものはどれか。
暗渠内潜水は、長時間潜水することができるヘルメット式潜水により行われることが多い。
冷水中では、ドライスーツよりウエットスーツの方が体熱の損失が少ない。
河口付近の水域は、一般に視界が悪いが、降雨により視界が向上するので、降雨後は潜水に適している。
汚染のひどい水域では。スクーバ式潜水やフーカー式潜水は不適当である。
山岳部のダムなど高所域での潜水では、海面に比べて環境圧が低いので、通常の海洋での潜水よりも減圧浮上時間は短くできる。
潜水士 の 10問
第9問
潜水業務に必要な器具に関し、次のうち誤っているものはどれか。
水深計には、2本の指針で現在の水深と潜水中の最大深度を表示する方式のものがある。
潜降索は、マニラ麻製又は同等の強度をもつのもで、1~2㎝程度の太さのものとし、水深を示す目印として3mごとにマークを付ける。
スクーバ式潜水で使用するウエットスーツには、レギュレターから空気を入れる吸気弁とスーツ内の余剰空気を排出する排気弁が付いている。
ヘルメット式潜水で使用する潜水服は、体温保持と浮力調整にため内部に相当量の空気を蓄えることができる。
スクーバ式潜水で使用する足ヒレ(フィン)には、ブーツをはめ込むフルフットタイプと、ブーツの爪先だけを差し込み踵をストラップで固定するオープンヒルタイプとがある。
潜水士 の 10問
第10問
潜水業務における酸素中毒に関し、次のうち誤っているものはどれか。
酸素中毒は、中枢神経が冒される脳酸素中毒と肺が冒される肺酸素中毒に大きく分けられる。
脳酸素中毒の症状には、吐き気やめまい、耳鳴り、筋肉の震え、痙攣発作などがあり、特に痙攣発作が潜水中に起こると多くの場合致命的になる。
肺酸素中毒の症状は、軽度の胸部違和感、咳、痰などが主なもので、致命的になることは通常は考えられないが、肺活量が減少することがある。
脳酸素中毒は、0.5気圧程度の酸素分圧の呼吸ガスを長時間吸収したときに生じ、肺酸素中毒は、1.4~1.6気圧程度の酸素分圧の呼吸ガスを短時間呼吸したときに生じる。
炭酸ガス中毒に罹患すると、酸素中毒にも罹患しやすくなる。