1級土木施工管理技士 の 10門
第1問
既設上水道管の更新工法及び更生工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
既設管内挿入工法は、既設管を鞘管として使用し新管を布設するもので、立坑部、付属設備及び給水栓のための部分的な開削を除けば、地表面を掘削することなく施工できる。
既設管路更生工法は、錆こぶによって機能が低下した管路を、種々の材料を使用して通水能力の回復及び赤水発生防止をはかるものであり、適用にあたっては既設管の管体及び継手部の強度が今後の使用に耐えうるものでなければならない。
既設管破砕推進工法は、破砕機構を有する先頭管で既設管を破砕しながら、既設管と同等又はそれ以上大きい新管を推進するもので、新管にはダクタイル鋳鉄管又は鋼管を用いて施工する。
既設管内巻込工法は、管を巻き込んで引込み作業後に拡管を行うので、更新管路は既設管に近い管径を確保することができ、曲がりに対しても対応しやすいが、既設管が劣化して強度が低下している場合は施工が不可能である。
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第2問
コンクリート構造物の劣化機構と劣化現象に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
化学的侵食は、骨材中に含まれる反応性シリカ鉱物がコンクリート中のアルカリ性水溶液と反応して、コンクリートが劣化する現象である。
塩害は、コンクリート中の鋼材の腐食が塩化物イオンにより促進され、コンクリートのひび割れやはく離、鋼材の断面減少を引き起こす劣化現象である。
凍害は、コンクリート中の水分が凍結と融解を繰り返すことによって、コンクリート表面からスケーリング、微細ひび割れ、ポップアウトなどの形で劣化する現象である。
中性化は、二酸化炭素がセメント水和物と炭酸化反応を起こし、鋼材の腐食が促進され、コンクリートのひび割れやはく離、鋼材の断面減少を引き起こす劣化現象である。
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第3問
鉄筋の手動ガス圧接継手の検査に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
圧接部のずれが規定値を超えた場合は、再加熱し加圧して修正し外観検査を行う。
超音波探傷検査で不合格と判定された圧接部は、圧接部を切り取って再圧接するか、添筋で補強する。
外観検査で圧接部に明らかな折曲がりが確認され不合格と判定された場合は、再加熱して修正し、再度外観検査を行う。
圧接部のふくらみの直径や長さが規定値に満たない場合は、再加熱し、加圧して所定のふくらみに修正し、外観検査を行う。
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第4問
土留め支保工の計測管理の結果、土留めの安全に支障が生じることが予測された場合に、採用した対策に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
土留め壁の応力度が許容値を超えると予測されたので、切ばり、腹起しの段数を増やした。
盤ぶくれに対する安定性が不足すると予測されたので、掘削底面下の地盤改良により不透水層の層厚を増加させた。
ボイリングに対する安定性が不足すると予測されたので、背面側の地下水位を低下させた。
ヒービングに対する安定性が不足すると予測されたので、背面地盤に盛土をした。
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第5問
コンクリートの品質に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
コンクリート構造物の水密性を確保するためには、ポーラスコンクリートを用い用心鉄筋の配置や膨張材を使用し鉛直打継目には止水板を設ける。
長期的に凍結融解作用を受けるような寒冷地のAEコンクリートは、所要の強度を満足することを確認の上で %程度の空気量を確保するとよい。
練混ぜ時にコンクリート中に含まれる塩化物イオンの総量は、原則として0.30 kg/m3以下としコンクリート内部の鋼材を腐食から保護する。
許容打重ね時間間隔は、下層のコンクリートの打込み終了から上層のコンクリートの打込み開始までの時間で、外気温が25 ℃ を超えるときは2.0時間を標準としている。
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第6問
ダムコンクリートの打込みに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
モルタルの敷込み厚さは、岩盤表面で2cm、水平打継目で1.5cmを標準とし、モルタルを一度に敷き込む範囲は30分程度でコンクリートを打ち込める範囲とする。
水平打継目に生じたレイタンスの除去は、ダムコンクリートが完全に硬化したことを確認してから圧力水や電動ブラシなどで除去する。
ダムコンクリートの一般部の打込み方向は、材料分離や降雨などによる打止めを考慮してダム軸に平行な方向に打ち込むものとする。
棒状バイブレータ(内部振動機)による有スランプコンクリートの締固めは、棒状バイブレータを鉛直に差込み先端が10cm 程度下層コンクリートに入るようにする。
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第7問
河川護岸に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
すり付け護岸は、屈とう性があり、かつ、表面形状に凹凸のある連節ブロックやかご工などが適している。
石張り(積み)の護岸工では、布積みと谷積みがあるが、一般には強度の強い谷積みが用いられる。
コンクリート張工に用いるコンクリートは、スランプを大きくしてコンクリートの流動化をはかる。
護岸肩部の洗掘防止には、護岸の天端に水平折り返し(天端工)を設け、折返しの終端には巻止めコンクリートを設ける。
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第8問
切土の法面保護工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
湧水量が多い法面では、法面保護工として一般に植生工を採用する。
植物の生育に適した法面勾配は、一般に軟岩や粘性土では1: 1.0~1.2より緩い場合、砂や砂質土では1: 1.5 より緩い場合である。
寒冷地のシルトの多い法面では、凍上や凍結融解作用によって植生がはく離したり滑落するおそれがある場合は、法面勾配を緩くすることや法面排水を行うことが望ましい。
土質や湧水の状況が一様でない法面については、排水工などの地山の処理を行った上で、景観に配慮してなるべく類似した工法を採用することが望ましい。
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第9問
施工計画の検討における留意事項に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
施工計画にあたっては、事前調査の結果や工事の制約条件、問題点を明らかにし、それを基に工事の基本方針を策定する。
施工手順は全体のバランスを考えるより、工期、工費に影響を及ぼす重要な工種を選定しその工種に作業を集中させる。
組合せ機械の選択は、可能な限り繰返し作業を増やすことにより習熟をはかり効率を高めるとともに、従作業の機械の施工能力は主作業の施工能力と同等あるいは幾分上回るよう留意する。
土木作業の施工可能日数を決定するには、工事の着手前に、当該地方の気象、地山性状、建設機械のトラフィカビリティーの調査などを行う。
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第10問
アスファルト舗装道路の下層路盤の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
粒状路盤工法において、粒状路盤材料として砂などの締固めを適切に行うためには、その上にクラッシャランなどをおいて同時に締固めてもよい。
路上混合方式によるセメント安定処理工法の転圧は、タイヤローラやロードローラなど2種類以上の舗装用ローラを併用すると効果的である。
路上混合方式による石灰安定処理工法の横方向の施工継目は、前日の施工端部を垂直に切り新しい材料を打ち継ぐ。
セメントや石灰による安定処理路盤材料の場合には、締固め時の含水比が最適含水比付近となるよう注意して締固めを行う。