1級土木施工管理技士 の 10門
第1問
下水道管渠内工事などを行うにあたり、局地的な大雨に対する安全対策について、請負者が行うべき事項に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
工事着手の前には、当該作業箇所の地形、気象等の現場特性に関する資料や情報を収集・分析し、急激な増水による危険性をあらかじめ十分把握することが必要である。
工事の中止は、工事着手前に「発注者が定める標準的な中止基準」をふまえ「現場特性に応じた中止基準」を設定し、工事開始後は的確に工事中止の判断をすることが必要である。
工事を行なう日には、全作業員に対し作業開始前に使用する安全器具の設置状況、使用方法、当日の天候の情報、退避時の対応方策等についてTBM等を通じて、周知徹底することが必要である。
管渠内での作業員の退避は、当該現場の上流側の人孔を基本とすることが原則であり、あらかじめルート等を定めておく。
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第2問
ダムコンクリートに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
プレクーリングは、リフトスケジュールに基づき、ダムコンクリートを直接又は材料の一部を冷却し、打込み時のコンクリートの温度を下げて最高温度を抑制する方法である。
有スランプコンクリートの締固めの判断は、コンクリートの沈下がなくなること、大きな気泡が生じなくなること、水が表面に現れて光沢が生じることなどによって確認できる。
コンクリート打込み終了後は、硬化作用の順調な進展と乾燥による表面ひび割れを防ぐために、柱状ブロック工法では湛水養生、面状工法では散水養生が標準的である。
仕上げ掘削完了後の基礎岩盤面のくぼみに溜まった水は、コンクリート打込み前にスポンジ、バキュームなどで完全に取り除き岩盤面を十分に乾燥状態にする。
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第3問
1つの現場でお互いに関連し施工する工事がA、B の二社に発注された場合、この現場における安全を確保するための管理体制について、次の記述のうち労働安全衛生法令上、正しいものはどれか。
統括安全衛生責任者を必要としない場合においては、A、B社いずれの会社からも現場全体を巡視する者等を指名する必要はない。
A社が統括管理するものとなった場合、A社はB社の下請け会社が行う安全のための教育の指導及び援助を行う必要はないが、B社が施工する現場も毎日巡視しなければならない。
A社が統括管理するものとなり、A社の所長が統括安全衛生責任者となった場合、A社の所長は、その現場の全ての事業者に代わり労働者の安全衛生責任を負わなければならない。
A社が統括管理するものとなった場合、A社はA社の下請け会社及び元請けであるB社とその下請け会社も含め協議組織の設置及び運営、作業間の連絡及び調整等を行わなければならない。
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第4問
砂防工事現場における施工上の留意事項に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
樹林を伐採する区域では、幼齢木や苗木となる樹木はできる限り保存し、現場の植栽に活用する。
地山掘削に伴う現場発生土は、その工事に極力活用し、できる限り工事区域外へ搬出しないようにする。
現場から発生する余剰コンクリート、コンクリート塊の破片は、渓岸部に深く埋設して工事区域内に処分する。
残土を現場内に仮置きする場合には、降雨などにより土砂が流出しないように表面をシートなどで保護する。
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第5問
柔構造樋門の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
キャンバー盛土の施工は、キャンバー盛土下端付近まで掘削し、掘削した土をそのまま再利用して盛土しなければならない。
函体の底版下に空洞が発生した場合、グラウトによって空洞を充てんすることが有効である。
床付け面は、開削による荷重の除去に伴って緩むことが多いため、乱さないで施工すると共に転圧によって締め固めることが好ましい。
樋門本体の沈下形状を設計で想定した沈下形状に近づけるためには、盛土を函軸に沿って水平に盛り上げる必要がある。
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第6問
労働基準法上、賃金に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
使用者は、原則として午後10時から午前5時までの間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
使用者は、労働時間を延長して労働させた場合においては、その時間が1箇月について60時間を超えた場合、原則として、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
使用者は、出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、労働時間にかかわらず一定額の賃金の保障をしなければならない。
使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。
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第7問
寒中コンクリート及び暑中コンクリートの施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
寒中コンクリートでは、コンクリート温度が低いと型枠に作用するコンクリートの側圧が大きくなる可能性があるため、打込み速度や打込み高さに注意する。
寒中コンクリートでは、保温養生あるいは給熱養生終了後に急に寒気にさらすと、コンクリート表面にひび割れが生じるおそれがあるので、適当な方法で保護して表面の急冷を防止する。
暑中コンクリートでは、運搬中のスランプの低下、連行空気量の減少、コールドジョイントの発生などの危険性があるため、コンクリートの打込み温度をできるだけ低くする。
暑中コンクリートでは、コンクリート温度をなるべく早く低下させるためにコンクリート表面に送風する。
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第8問
災害補償に関する次の記述のうち、労働基準法上、正しいものはどれか。
労働者が業務上負傷して治った場合において、その身体に障害が残ったときは、使用者は、平均賃金の千日分の障害補償を行わなければならない。
療養補償を受ける労働者が、療養開始後3年を経過しても治らない場合は、使用者は、療養補償を打ち切らなければならない。
労働者が業務上負傷した場合において、使用者は、療養補償及び休業補償を毎月1回以上行わなければならない。
土木工事が数次の請負によって行われる場合、元請負人は、2以上の下請負人に同一工事について重複して災害補償を引き受けさせなければならない。
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第9問
シールド工法におけるセグメントに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
軟弱な地盤におけるシールドのセグメントは、セグメントリングの変形に伴う地盤反力が期待できないため、継手はできるだけ剛な構造とする。
セグメントの組立は、エレクタとスライドジャッキを使用して左右両側に交互に組み立て、最後にスライドジャッキが設置しやすい下部のセグメントを挿入する。
セグメントは、対象とするトンネルの用途や地盤条件に応じて種類を選択するが、合成セグメントは鉄筋コンクリートセグメントと比較して鋼殻の桁高(厚さ)の縮小が期待できる。
コンクリート系セグメントは、完成後の地山外力や推進時の施工荷重を対象に配筋がなされており、運搬時にはこれらと異なった荷重が作用することが考えられるのでつり位置の検討が必要である。
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第10問
コンクリート構造物の非破壊検査のうち、電磁波を利用する方法(X線法、電磁波レーダ法、赤外線法)で得ることのできない情報は、次のうちどれか。
コンクリートの圧縮強度
コンクリート中の浮き、はく離、空隙
コンクリートのひび割れの分布状況
コンクリート中の鋼材の位置、径、かぶり