行政書士 国家試験 の 10門
第1問
行政の自己拘束に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、誤っているものはどれか。
事業者に対する行政財産の目的外使用許可が所定の使用期間の途中で撤回された場合に、撤回を行った行政主体に損失補償の責任が生じるのは、許可に際して損失補償をする旨の取り決めを行ったときに限られる。
行政庁がその裁量に任された事項について、裁量権行使の準則(裁量基準)を定めることがあっても、このような準則は、行政庁の処分の妥当性を確保するためのものであるから、処分が当該準則に違背して行われたとしても、違背したという理由だけでは違法とはならない。
行政主体が一方的かつ統一的な取扱いの下に国民の重要な権利の行使を違法に妨げた結果、行政主体に対する債権を消滅時効にかからせた場合、行政主体の側が消滅時効の主張をすることは許されない。
行政主体が公務員の採用内定の取消しを行った場合、内定通知の相手方がその通知を信頼し、その職員として採用されることを期待して他の就職の機会を放棄するなどの準備を行っていたときは、当該行政主体はその者に対して損害賠償の責任を負うことがある。
異議申立てに対する決定等の一定の争訟手続を経て確定した行政庁の法的な決定については、特別の規定がない限り、関係当事者がこれを争うことができなくなることはもとより、行政庁自身もこれを変更することができない。
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第2問
債権の準占有者に対する弁済等に関する次の記述は、民法の規定および判例に照らし、妥当でしょうか?
債権が二重に譲渡され、一方の譲受人が第三者対抗要件を先に具備した場合に、債務者が、その譲受人に対する弁済の有効性について疑いを抱いてもやむをえない事情があるなど、対抗要件で劣後する譲受人を真の債権者であると信ずるにつき相当の理由があるときに、その劣後する譲受人に弁済すれば、当該弁済は、債権の準占有者への弁済として有効な弁済となる。
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第3問
行政不服審査法(以下「行審法」という。)と行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)の比較に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
行訴法は、行政庁が処分をすべき旨を命ずることを求める訴訟として「義務付けの訴え」を設けているが、行審法は、このような義務付けを求める不服申立てを明示的には定めていない。
行審法は、同法にいう処分には公権力の行使に当たる事実上の行為で継続的性質を有するものが含まれると定めているが、行訴法は、このような行為が処分に当たるとは明示的には定めていない。
行訴法は、取消訴訟の原告適格を処分等の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」に認めているが、行審法は、このような者に不服申立て適格が認められることを明示的には定めていない。
行訴法は、訴訟の結果により権利を害される第三者の訴訟参加に関する規定を置いているが、行審法は、利害関係人の不服申立てへの参加について明示的には定めていない。
行訴法は、取消訴訟における取消しの理由の制限として、自己の法律上の利益に関係のない違法を理由とすることはできないと定めているが、行審法は、このような理由の制限を明示的には定めていない。
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第4問
婚姻および離婚に関する次の記述は、民法の規定に照らし、正しいでしょうか?
養親子関係にあった者どうしが婚姻をしようとする場合、離縁により養子縁組を解消することによって、婚姻をすることができる。
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第5問
取締役会設置会社(委員会設置会社を除く。)と取締役との間の取引等に関する次の記述は、会社法の規定に照らし、妥当でしょうか?
取締役が会社に対し、または会社が取締役に対して訴えを提起する場合には、監査役設置会社においては監査役が会社を代表し、監査役設置会社でない会社においては会計参与が会社を代表する。
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第6問
商法上の支配人に関する次の記述のうち、商法の規定に照らし、正しいものはどれか。
商人が支配人を選任したときは、その登記をしなければならず、この登記の完了により支配人も商人資格を取得する。
支配人は、商人の営業所の営業の主任者として選任された者であり、他の使用人を選任し、または解任する権限を有する。
支配人の代理権の範囲は画一的に法定されているため、商人が支配人の代理権に加えた制限は、悪意の第三者に対しても対抗することができない。
支配人は、商人に代わり営業上の権限を有する者として登記されるから、当該商人の許可を得たとしても、他の商人の使用人となることはできない。
商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、支配人として選任されていなくても、当該営業所の営業に関しては、支配人とみなされる。
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第7問
条例に関する地方自治法の規定について、次の記述のうち、正しいものはどれか。
選挙権を有する者からの一定の者の連署による条例の制定又は改廃の請求がなされた場合、適法な請求を受理した長は、これを議会に付議しなければならず、付議を拒否することは認められていない。
選挙権を有する者は、一定の者の連署によって、条例の制定及び改廃の請求をすることができるが、その対象となる条例の内容については、明文の制約はない。
地方公共団体の条例制定権限は、当該地方公共団体の自治事務に関する事項に限られており、法定受託事務に関する事項については、及ばない。
条例の議決は、議会の権限であるから、条例の公布も、議会の議長の権限とされているが、議長から送付を受けた長が公報などにより告示する。
条例の制定は、議会に固有の権限であるから、条例案を議会に提出できるのは議会の議員のみであり、長による提出は認められていない。
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第8問
国家賠償法に関する次の記述は、最高裁判所の判例に照らし、正しいでしょうか?
都道府県が児童福祉法に基づいて要保護児童を国又は公共団体以外の者の設置運営する児童養護施設に入所させたところ、当該施設の被用者がその入所児童に損害を加えたため、当該被用者の行為が都道府県の公権力の行使に当たるとして都道府県が被害者に対して1条1項に基づく損害賠償責任を負う場合であっても、被用者個人は、民法709条に基づく損害賠償責任を負わないが、施設を運営する使用者は、同法715条に基づく損害賠償責任を負う。
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第9問
狭義の訴えの利益に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
都市計画法に基づく開発許可の取消しを求める利益は、開発行為に関する工事の完了によっても失われない。
市立保育所の廃止条例の制定行為の取消しを求める利益は、原告らに係る保育の実施期間がすべて満了したとしても失われない。
公文書の非公開決定の取消しを求める利益は、当該公文書が裁判所に書証として提出された場合でも失われない。
土地収用法による明渡裁決の取消しを求める利益は、明渡しに関わる代執行の完了によっても失われない。
衆議院議員選挙を無効とすることを求める利益は、その後に衆議院が解散され、当該選挙の効力が将来に向かって失われたときでも失われない。
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第10問
Aは、配偶者がいるにもかかわらず、配偶者以外のBと不倫関係にあり、その関係を維持する目的で、A所有の甲建物をBに贈与した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、正しいものはどれか。
甲建物がAからBに引き渡されていない場合に、A・B間の贈与が書面によってなされたときには、Aは、Bからの引渡請求を拒むことはできない。
甲建物が未登記建物である場合において、Aが甲建物をBに引き渡したときには、Aは、Bに対して甲建物の返還を請求することはできない。
甲建物が未登記建物である場合において、Aが甲建物をBに引き渡した後に同建物についてA名義の保存登記をしたときには、Aは、Bに対して甲建物の返還を請求することができる。
A名義の登記がなされた甲建物がBに引き渡されたときには、Aは、Bからの甲建物についての移転登記請求を拒むことはできない。
贈与契約のいきさつにおいて、Aの不法性がBの不法性に比してきわめて微弱なものであっても、Aが未登記建物である甲建物をBに引き渡したときには、Aは、Bに対して甲建物の返還を請求することはできない。