マンション管理士試験 の 10門
第1問
甲マンションの101号室は、次のア~ウのとおり区分所有権が移転されているが、A及びBは、管理費を滞納している。管理組合法人が、平成25年4月に滞納管理費を請求する場合に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、正しいものはどれか。
ア:平成22年4月、Aが101号室を購入
イ:平成23年10月、BがAから101号室を受贈
ウ:平成24年10月、Cが抵当権の実行による競売で101号室を取得
Aは、管理費に係る債権の引当てである区分所有権をBに贈与しているので、管理組合法人は、Aに対して、Aの滞納管理費を請求することができない。
Bは、贈与を受けた中間取得者であり、特定承継人ではないので、管理組合法人は、Bに対しては、Bの滞納管理費のみを請求することができる。
Cは、担保権の実行としての競売による買受人であるが、管理組合法人は、Cに対して、A及びBの滞納管理費を請求することができる。
管理組合法人は、規約に別段の定めがない限り、Cに対して、A及びBの滞納管理費に係る遅延損害金を請求することができない。
マンション管理士試験 の 10門
第2問
Aは、その所有する甲マンション1階の店舗部分(101号室)を、平成 20年4月1日にBに対し、期間を 10年、賃料を月額 50万円として賃貸し、引き渡したところ、Bは、平成 25年4月1日にAに対し、賃料を月額 40万円に減額するよう請求した。この場合における次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
AとBとの賃貸借契約において、賃貸期間中は賃料を減額しない旨の定めがある場合も、Bは賃料減額を請求することができる。
Bは、平成 25年4月1日より前の賃料減額を請求することができない。
Bの減額請求につき、AとBとの協議が調わないときには、Aは、減額を正当とする裁判が確定するまでは、Bに対し、相当と認める額の賃料の支払を請求することができる。
Bの減額請求につき、月額 45万に減額するのが正当である旨の裁判が確定した場合、賃料は裁判確定時から月額 45万円となる。
マンション管理士試験 の 10門
第3問
マンション建替組合(この問いにおいて「建替組合」という。)が施行するマンション建替事業に関する次の記述のうち、マンションの建替えの円滑化等に関する法律及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
建替組合の設立の認可を申請しようとする者は、建替組合の設立について、建替え合意者の3/4以上の同意(同意した者の区分所有法第38条の議決権の合計が、建替え合意者の同条の議決権の合計の3/4以上となる場合に限る。)を得なければならない。
建替組合は、区分所有法第63条第4項に規定する建替えに参加しない旨を回答した区分所有者に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求しようとするときは、あらかじめ建替えに参加しない旨を回答した区分所有者の承諾を得なければならない。
建替組合は、区分所有権等以外の権利を有する者から同意を得られないときは、その同意を得られない理由及び同意を得られない者の権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えて、権利変換計画の認可を申請することができる。
建替組合は、権利変換期日後遅滞なく、施行再建マンションの敷地(保留敷地を含む。)につき、権利変換後の土地に関する権利について必要な登記を申請しなければならない。
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第4問
マンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「マンション管理適正化法」という。)第2条第1号イに規定するマンションをいう。以下同じ。)に関する次の記述のうち、建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
専有部分とは、一棟の建物の構造上区分された数個の部分で独立して住居その他建物としての用途に供することができる区分所有権の目的たる建物の部分をいう。
共用部分とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び規約により共用部分とされた附属の建物をいう。
建物の敷地とは、建物が所在する土地並びに規約により建物の敷地とされた建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、通路その他の土地をいう。
敷地利用権とは、専有部分を所有し敷地を利用するための建物の敷地に関する所有権、地上権、賃借権、使用借権又は地役権をいう。
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第5問
マンションの長期修繕計画の作成に関する次の記述のうち、「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」 (平成20年6月国土交通省公表)及び「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」 (平成23年4月国土交通省公表)によれば、適切でないものはどれか。
外壁塗装やシーリング材などに耐久性の高い材料が使われているので、外壁塗装等の修繕周期を14年として計画した。
長期修繕計画の見直しは、大規模修繕実施前の調査結果を参考にするために、12年ごととした。
既存のマンションの長期修繕計画を見直すに当たり、計画期間を30年として計画した。
30階建てのマンションの修繕工事費の算定において、仮設工事のための費用を一般的な中高層マンションに比べて多めに見積もった。
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第6問
甲マンションの管理組合は、自ら居住しない組合員(この問いにおいて「不在組合員」という。)に対して、組合費のほかに住民活動協力金を負担させる旨の規約の変更を行った。この場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び判例によれば、誤っているものは次のうちどれか。
規約の変更の効力は、規約の変更の必要性及び合理性とこれによって不在組合員が受ける不利益とを比較衡量し、実態に照らし、その不利益が不在組合員の受忍すべき限度を超えると認められるかどうかによって判断すべきである。
規約の変更によって不在組合員が受ける不利益についての判断に当たっては、組合費と住民活動協力金とを合計した不在組合員の金銭的負担と居住組合員が負担する組合費とを比較衡量する必要はない。
管理組合の運営業務及びその費用は、本来、組合員が平等に負担すべきであり、不在組合員が占める割合が大きく、それらが管理組合活動等に参加することが期待し得ない場合は、規約を変更し、不在組合員のみを対象として金銭的負担を求めることは合理性を欠くものと見ることはできない。
規約の変更の効力を判断するに当たっては、不在組合員のうち住民活動協力金の支払を拒否する者の数及び不在組合員全体に対するその割合を考慮する必要がある。
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第7問
マンション管理士の登録に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、マンション管理士の登録に必要な他の要件は満たしているものとする。
成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ない者は、マンション管理士の登録を受けることができない。
マンション管理適正化法の規定に違反したとして罰金の刑に処せられた者は、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過したとき、マンション管理士の登録を受けることができる。
マンション管理士は、氏名、住所、本籍(日本の国籍を有しない者にあっては、その者の有する国籍)その他のマンション管理士登録簿の登載事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を届け出なければならない。
偽りその他不正の手段により、マンション管理士の登録を受けたとき、国土交通大臣は、マンション管理士の登録を取り消さなければならない。
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第8問
甲マンションの区分所有者Aが所有する専有部分の売却の依頼を受けた宅地建物取引業者から、その媒介等の業務のために甲マンションに係る次の事項の提供及び開示を求めてきたときに、管理組合に代わって、管理会社が提供し、及び開示する必要のないものは、マンション標準管理委託契約書によれば、次のうちどれか。ただし、甲マンションは、昭和56年5月に新築の工事に着手したものとする。
管理規約の写し
マンション内の事件、事故等の情報
石綿使用調査結果の記録の有無とその内容
耐震診断の記録の有無とその内容
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第9問
マンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「マンション管理適正化法」という。)第2条第1号イに規定するマンションをいう。以下同じ。)に関する次の記述のうち、建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。
マンションの建物に対して従物的な関係にある別個の建物は、法律上当然には共用部分とならない。
マンションの建物に附属し、効用上その建物と不可分の関係にある建物の附属物は、法律上当然に共用部分となる。
マンションである建物全体の基本的構造部分及びその構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供される建物の部分は、法律上当然に共用部分となる。
区分所有権の目的とすることができるマンションの建物の部分は、法律上当然には共用部分とならない。
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第10問
Aは、その所有する甲マンション1階の店舗部分(101号室)を、Bに対し賃貸し、Bは、引渡しを受けた後に、これをCに転貸し引き渡した。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているのはどれか。
AとBとの賃貸借契約において、あらかじめ第三者に対する転貸をAが承諾していた場合、Aはこれを撤回することはできず、BがCに101号室を転賃するに当たって、改めてAに承諾を求める必要はない。
Aが、Bに対し、Cへの転貸を承諾した後、BがAへの賃料の支払を怠り、AとBとの間の賃貸借契約が有効に解除された場合、BとCとの転貸借契約はAがCに101号室の返還を請求した時に終了する。
Aが、Bに対し、Cへの転貸を承諾した後、Bの賃料不払を理由として賃貸借契約を解除するためには、Bに対して賃料の支払を催告したうえ、Cに対しても、Bの代わりに支払うよう催告して、その支払の機会を与える必要がある。
Aが、Bに対し、Cへの転貸を承諾した後、Cの過失による火災が生じ、101号室の一部が焼失した場合、BはAに対して損害賠償責任を負う。