精神保健福祉士 国家試験 の 10門
第1問
次の事例を読んで、障害支援区分認定に関する次の記述のうち、認定調査員の対応として、適切なものを1つ選びなさい。
Fさん(35歳)は全身性エリテマトーデスである。症状に変動があり、状態が良いときが多いため身体障害者手帳の取得はできていない。状態が悪いときは歩行も困難な状況であり、家族やボランティアの学生、訪問看護師からの支援を受けている。Fさんは居宅介護を受けたいと思い、このたび、障害支援区分の認定を受けるための申請をし、認定調査員の訪問を受けることとなった。
症状が変化するなどの特徴があるため、「できない状況」に基づき判断して認定調査項目の記載を行う。
認定調査項目と特記事項の記載内容に矛盾があってもそのままを記載する。
認定調査結果と医師意見書との整合性を保つ必要があるため、矛盾が確認できた場合は認定調査の結果を書き換える。
プライバシーを守るため、保健師などの同行は依頼せず単独訪問を心掛ける。
認定調査の際、ボランティアの学生は聞き取り対象から外す。
精神保健福祉士 国家試験 の 10門
第2問
福祉計画・医療計画などの策定技法と評価に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
介護保険法では、介護保険事業計画におけるニーズ調査とは、介護サービスの利用者を対象とした調査とされている。
市町村障害福祉計画においては、障害福祉サービスの種類ごとの量の見込みは定めなくてよいとされている。
医療計画におけるプロセス指標とは、実際にサービスを提供する主体の活動や、他機関との連携体制を測る指標のことである。
インプット指標とは、要支援状態から要介護状態への移行をどの程度防止できたかなどの事業成果に関する指標のことである。
福祉計画などの評価に用いる費用・効果分析においては、効果は金銭の単位で測定されなければならない。
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第3問
措置入院にかかわる手続きに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
診察では、自傷他害のおそれについて、特定医師が判定する。
精神障害者又はその疑いのある者を知った者は、誰でも診察及び必要な保護を所管する市町村長に申請することができる。
警察官は、自傷他害のおそれがある精神障害者を保護したとき、直ちに、精神科病院に搬送することが義務づけられている。
検察官は、精神障害者又はその疑いのある被疑者や被告人について、不起訴処分又は裁判が確定したとき、市町村長に通報しなければならない。
都道府県知事は、現に本人の保護の任に当たっている者がある場合には、あらかじめ診察の日時及び場所を、その者に通知しなければならない。
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第4問
多発性脳梗塞関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
アルツハイマー型認知症に特異的な病態である。
嚥下障害はない。
情動失禁はない。
パーキンソン症候群の原因になる。
振戦せん妄が認められる。
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第5問
社会的リスクに関する次の記述のうち、「ベヴァリッジ報告」で想定されていなかったものを1つ選びなさい。
疾病により労働者の収入が途絶えるおそれ
勤務先の倒産や解雇により生計の維持が困難になるおそれ
老齢による退職のために稼働収入が途絶えるおそれ
保育や介護の社会化が不充分なため、仕事と家庭の両立が困難になるおそれ
稼得者の退職や死亡により被扶養者の生活が困窮するおそれ
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第6問
次のうち、労働契約法に規定されているものとして、正しいものを1つ選びなさい。
心理的な負担の程度を把握するための検査等
労働者の安全への配慮
労働者の心の健康の保持増進のための指針
過労死等の防止のための対策に関する大綱
産業保健総合支援センターの設置
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第7問
精神保健福祉士が行うノーマライゼーションの理念に即した活動に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
グループホームで生活する精神障害者が町内会のイベントに参加し運営を担えるよう、コーディネートを行った。
日常生活場面での会話を苦手としている精神障害者に社会生活技能訓練(SST)を行い、コミュニケーション能力の改善を図った。
雇用契約時に提示された勤務時間が守られていない事業所に対し、被雇用者である精神障害者の代わりに苦情を申し出た。
民生委員からの情報提供を受け、精神科病院への受診に結びついていないと考えられる精神障害者宅を訪問した。
金銭管理に不安のある判断能力が不十分な精神障害者に対し、日常生活自立支援事業の活用を勧めた。
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第8問
メンタルヘルスをめぐる用語に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
レストレスレッグス症候群とは、ワーカホリックの男性が示す落ち着かない状態をいう。
レジリエンスとは、精神科における専門的な治療を行ってもなかなか症状が改善しない状態をいう。
ポピュレーションアプローチとは、健康障害の危険度が高い集団に、重点的に指導や支援を行うことをいう。
アタッチメントとは、過度な緊張とストレスのある環境に置かれた人が、日常と異なるパーソナリティや行動を示すことをいう。
メンタリングとは、経験豊かな年長者が若年者と交流し、対話や助言によって自発的な成長を支援することをいう。
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第9問
次の事例を読んで、Gさんの入院に対する対応として、適切なものを1つ選びなさい。
Gさん(28歳)は精神障害があり家族はいない。過去に放火をしたため「医療観察法」による通院処遇を3年間受けて、2年前に裁判所から処遇終了の決定を受けている。現在は地域活動支援センターを利用している。最近、Gさんの状態が悪化したため、通院している精神科病院で精神保健指定医の診察を受けたところ、「自傷他害のおそれはないが入院が必要」と診断された。Gさんは入院に同意できる状態ではないが、後見人は入院に同意している。
(注)1「医療観察法」とは、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。2「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。
「医療観察法」による鑑定入院の命令
「医療観察法」による入院処遇の決定
「精神保健福祉法」による措置入院
「精神保健福祉法」による医療保護入院
「精神保健福祉法」による応急入院
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第10問
「犯罪被害者に対する急性期心理社会支援ガイドライン」に記載されている支援者の対応に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
(注)「犯罪被害者に対する急性期心理社会支援ガイドライン」とは、平成 24 年度厚生労働科学研究「大規模災害や犯罪被害等による精神疾患の実態把握と対応ガイドラインの作成・評価に関する研究」において作成されたものである。
支援機関からの情報提供は、被害者の気持ちが落ち着くまで待つ。
記憶が鮮明なうちに、詳細に被害体験を聴き取る。
性暴力被害の場合、産婦人科の受診の必要性について確認する。
支援者は、事情聴取に付き添う際、警察に対して積極的に情報を提供する。
フラッシュバックや不眠症状があれば、精神科救急の受診を第一選択とする。