宅建(平成21年) の 10問
第1問
民法第379条は、「抵当不動産の第三取得者は、第383条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。」 と定めている。これに関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
抵当権の被担保債権につき保証人となっている者は、抵当不動産を買い受けて第三取得者になれば、抵当権消滅請求をすることができる。
抵当不動産の第三取得者は、当該抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生した後でも、売却の許可の決定が確定するまでは、抵当権消滅請求をすることができる。
抵当不動産の第三取得者が抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に民法第383条所定の書面を送付すれば足り、その送付書面につき事前に裁判所の許可を受ける必要はない。
抵当不動産の第三取得者から抵当権消滅請求にかかる民法第383条所定の書面の送付を受けた抵当権者が、同書面の送付を受けた後2か月以内に、承諾できない旨を確定日付のある書面にて第三取得者に通知すれば、同請求に基づく抵当権消滅の効果は生じない。
宅建(平成21年) の 10問
第2問
土地に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
山地の地形は、かなり急峻で大部分が森林となっている。
台地・段丘は、農地として利用され、また都市的な土地利用も多い。
低地は、大部分が水田として利用され、地震災害に対して安全である。
臨海部の低地は、水利、海陸の交通に恵まれているが、住宅地として利用するためには十分な防災対策が必要である。
宅建(平成21年) の 10問
第3問
相隣関係に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
土地の所有者は、境界において障壁を修繕するために必要であれば、必要な範囲内で隣地の使用を請求することができる。
複数の筆の他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を自由に選んで通行することができる。
Aの隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、Aはその根を切り取ることができる。
異なる慣習がある場合を除き、境界線から1m未満の範囲の距離において他人の宅地を見通すことができる窓を設ける者は、目隠しを付けなければならない。
宅建(平成21年) の 10問
第4問
宅地建物取引業者Aが行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
建物の売買の媒介を行う場合、当該建物が地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律第12条第1項の規定に基づく歴史的風致形成建造物であるときは、Aは、その増築に際し市町村長への届出が必要である旨を説明しなければならない。
建物の売買を行う場合、当該建物について石綿の使用の有無の調査の結果が記録されていないときは、Aは、自ら石綿の使用の有無の調査を行った上で、その結果の内容を説明しなければならない。
建物の貸借の媒介を行う場合、当該貸借の契約が借地借家法第38条第1項の規定に基づく定期建物賃貸借契約であるときは、Aは、その旨を説明しなければならない。
建物の貸借の媒介を行う場合、Aは、当該貸借に係る契約の終了時において精算することとされている敷金の精算に関する事項について、説明しなければならない。
宅建(平成21年) の 10問
第5問
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市、特例市にあってはその長をいうものとする。
市街地開発事業の施行地区内においては、非常災害のために必要な応急措置として行う建築物の建築であっても、都道府県知事等の許可を受けなければならない。
風致地区内における建築物の建築については、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる。
工作物の建設を行おうとする場合は、地区整備計画が定められている地区計画の区域であっても、行為の種類、場所等の届出が必要となることはない。
都市計画事業においては、土地収用法における事業の認定の告示をもって、都市計画事業の認可又は承認の告示とみなしている。
宅建(平成21年) の 10問
第6問
民法第95条本文は、「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。」 と定めている。これに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
意思表示をなすに当たり、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。
表意者自身において、その意思表示に瑕疵(かし)を認めず、民法第95条に基づく意思表示の無効を主張する意思がない場合は、第三者がその意思表示の無効を主張することはできない。
意思表示をなすについての動機は、表意者が当該意思表示の内容とし、かつ、その旨を相手方に明示的に表示した場合は、法律行為の要素となる。
意思表示をなすについての動機は、表意者が当該意思表示の内容としたが、その旨を相手方に黙示的に表示したにとどまる場合は、法律行為の要素とならない。
宅建(平成21年) の 10問
第7問
宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市、特例市にあってはその長をいう。
都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内の宅地で宅地造成に伴う災害の防止のため必要な擁壁が設置されておらず、これを放置するときは宅地造成に伴う災害の発生の恐れが大きいと認められるものがある場合、一定の限度のもとに、当該宅地の所有者、管理者又は占有者に対して、擁壁の設置を行うことを命ずることができる。
宅地造成工事規制区域内において、切土であって、当該切土をする土地の面積が400平方メートルで、かつ、高さ1mの崖 (がけ) を生ずることとなるものに関する工事を行う場合には、都市計画法第29条第1項又は第2項の許可を受けて行われる当該許可の内容に適合した工事を除き、都道府県知事の許可を受けなければならない。
都道府県は、宅地造成工事規制区域の指定のために行う測量又は調査のため他人の占有する土地に立ち入ったことにより他人に損失を与えた場合においては、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事について許可をする都道府県知事は、当該許可に、工事の施行に伴う災害を防止するために必要な条件を付することができる。
宅建(平成21年) の 10問
第8問
建築基準法 (以下この問において「法」という。) に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
高度地区内においては、建築物の高さは、高度地区に関する地方公共団体の条例において定められた内容に適合するものでなければならない。
認可の公告のあった建築協定は、その公告のあった日以後に協定の目的となっている土地の所有権を取得した者に対しても、効力がある。
商業地域内にある建築物については、法第56条の2第1項の規定による日影規制は、適用されない。ただし、冬至日において日影規制の対象区域内の土地に日影を生じさせる、高さ10mを超える建築物については、この限りではない。
特別用途地区内においては、地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、法第48条の規定による建築物の用途制限を緩和することができる。
宅建(平成21年) の 10問
第9問
宅地建物取引業法 (以下この問において「法」という。) 第37条の規定により交付すべき書面 (以下この問において「37条書面」という。) に関する次の記述のうち、法の規定によれば、正しいものはどれか。
法人である宅地建物取引業者が37条書面を作成したときは、必ずその代表者をして、当該書面に記名押印させなければならない。
建物の売買契約において、宅地建物取引業者が売主を代理して買主と契約を締結した場合、当該宅地建物取引業者は、買主にのみ37条書面を交付すれば足りる。
宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地建物取引業者でない法人との間で建物の売買契約を締結した場合、当該法人において当該契約の任に当たっている者の氏名を、37条書面に記載しなければならない。
宅地建物取引業者が、その媒介により契約を成立させた場合において、契約の解除に関する定めがあるときは、当該契約が売買、貸借のいずれに係るものであるかを問わず、37条書面にその内容を記載しなければならない。
宅建(平成21年) の 10問
第10問
次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、この問において、契約行為等とは、宅地若しくは建物の売買若しくは交換の契約(予約を含む。)若しくは宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介の契約を締結し、又はこれらの契約の申込みを受けることをいう。
宅地建物取引業者が一団の宅地の分譲を行う案内所において契約行為等を行う場合、当該案内所には国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。
他の宅地建物取引業者が行う一団の建物の分譲の媒介を行うために、案内所を設置する宅地建物取引業者は、当該案内所に、売主の商号又は名称、免許証番号等を記載した国土交通省令で定める標識を掲示しなければならない。
宅地建物取引業者は、事務所以外の継続的に業務を行うことができる施設を有する場所においては、契約行為等を行わない場合であっても、専任の取引主任者を1人以上置くとともに国土交通省令で定める標識を掲示しなければならない。
宅地建物取引業者は、業務に関して展示会を実施し、当該展示会場において契約行為等を行おうとする場合、当該展示会場の従業者数5人に対して1人以上の割合となる数の専任の取引主任者を置かなければならない。