宅建(平成23年) の 10問
第1問
Aは、Bに対し建物を賃貸し、Bは、その建物をAの承諾を得てCに対し適法に転貸している。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
BがAに対して賃料を支払わない場合、Aは、Bに対する賃料の限度で、Cに対し、Bに対する賃料を自分に直接支払うよう請求することができる。
Aは、Bに対する賃料債権に関し、Bが建物に備え付けた動産、及びBのCに対する賃料債権について先取特権を有する。
Aが、Bとの賃貸借契約を合意解除しても、特段の事情がない限り、Cに対して、合意解除の効果を対抗することができない。
Aは、Bの債務不履行を理由としてBとの賃貸借契約を解除するときは、事前にCに通知等をして、賃料を代払いする機会を与えなければならない。
宅建(平成23年) の 10問
第2問
宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A社の役員Bは、宅地建物取引業者C社の役員として在籍していたが、その当時、C社の役員Dがかつて禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過していないとしてC社は免許を取り消されている。この場合、A社は、C社が免許を取り消されてから5年を経過していなくても、免許を受けることができる。
E社の役員のうちに、刑法第246条の詐欺罪により罰金の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しない者がいる場合、E社は免許を受けることができない。
F社の役員のうちに、指定暴力団の構成員がいた場合、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反していなくても、F社は免許を受けることができない。
宅地建物取引業者G社は、引き続いて1年以上事業を休止したときは、免許の取消しの対象となる。
宅建(平成23年) の 10問
第3問
建築物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
ラーメン構造は、柱とはりを組み合わせた直方体で構成する骨組である。
トラス式構造は、細長い部材を三角形に組み合わせた構成の構造である。
アーチ式構造は、スポーツ施設のような大空間を構成するには適していない構造である。
壁式構造は、柱とはりではなく、壁板により構成する構造である。
宅建(平成23年) の 10問
第4問
宅地取引業者A社が、Bから自己所有の宅地の売買の媒介を依頼された場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
A社は、Bとの間で締結した媒介契約が専任媒介契約であるか否かにかかわらず、所定の事項を指定流通機構に登録しなければならない。
A社は、Bとの間で専任媒介契約を締結したときは、Bからの申出があれば、所定の事項を指定流通機構に登録しない旨の特約を定めることができる
A社は、Bとの間で専任媒介契約を締結し、所定の事項を指定流通機構に登録したときは、その登録を証する書面を遅滞なくBに引き渡さなければならない。
A社は、Bとの間で専任媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買契約が成立したとしても、その旨を指定流通機構に通知する必要はない。
宅建(平成23年) の 10問
第5問
宅地建物取引業者A社(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
A社は、甲県の区域内に新たに支店を設置し宅地建物取引業を営もうとする場合、甲県知事にその旨の届出を行うことにより事業を開始することができるが、当該支店を設置してから3月以内に、営業保証金を供託した旨を甲県知事に届け出なければならない。
甲県知事は、A社が宅地建物取引業の免許を受けた日から3月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしないときは、その届出をすべき旨の催告をしなければならず、その催告が到達した日から1月以内にA社が届出をしないときは、A社の免許を取り消すことができる。
A社は、宅地建物取引業の廃業により営業保証金を取り戻すときは、営業保証金の還付を請求する権利を有する者(以下この問において「還付請求権者」という。)に対して公告しなければならないが、支店の廃止により営業保証金を取り戻すときは、還付請求権者に対して公告する必要はない。
A社は、宅地建物取引業の廃業によりその免許が効力を失い、その後に自らを売主とする取引が結了した場合、廃業の日から10年経過していれば、還付請求権者に対して公告することなく営業保証金を取り戻すことができる。
宅建(平成23年) の 10問
第6問
AがBから事業のために、1,000万円を借り入れている場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
AとBが婚姻した場合、AのBに対する借入金債務は混同により消滅する。
AがCと養子縁組をした場合、CはAのBに対する借入金債務についてAと連帯してその責任を負う。
Aが死亡し、相続人であるDとEにおいて、Aの唯一の資産である不動産をDが相続する旨の遺産分割協議が成立した場合、相続債務につき特に定めがなくても、Bに対する借入金返済債務のすべてをDが相続することになる。
Aが死亡し、唯一の相続人であるFが相続の単純承認をすると、FがBに対する借入金債務の存在をしらなかったとしても、Fは当該借入金債務を相続する。
宅建(平成23年) の 10問
第7問
宅地建物取引業者A社(甲県知事免許)がマンション(100戸)を分譲する場合 における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に よれば、正しいものはいくつあるか。
【ア】A社が宅地建物取引業者B社にマンションの販売代理を一括して依頼する場合、B社が設置する案内所について、A社は法第50条第2項の規定に基づく業務を行う場所の届出を行わなければならない。
【イ】A社は、売買契約の締結をせず、契約の申込みの受付も行わない案内所を設置する場合、 法第50場第1項に規定する標識を掲示する必要はない。
【ウ】A社がマンションの分譲のために案内所を乙県に設置する場合には、業務を開始する日の10日前までに、乙県知事に法第50条第2項の規定に基づく業務を行う場所の届出を行わなければならない。
なし
1個
2個
3個
宅建(平成23年) の 10問
第8問
Aは、自己所有の甲不動産を3か月以内に、1,500万円以上で第三者に売却でき、その代金全額を受領することを停止条件として、Bとの間でB所有の乙不動産を2,000万円で購入する売買契約を締結した。条件成就に関する特段の定めはしなかった。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
乙不動産が値上がりしたために、Aに乙不動産を契約どおり売却したくなくなったBが、甲不動産の売却を故意に妨げたときは、Aは停止条件が成就したものとみなしてBにAB間の売買契約の履行を求めることができる。
停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時から効力が生ずるだけで、停止条件の成否が未定である間は、相続することはできない。
停止条件の成否が未定である間に、Bが乙不動産を第三者に売却し移転登記を行い、Aに対する売主としての債務を履行不能とした場合でも、停止条件が成就する前の時点の行為であれば、BはAに対し損害賠償責任を負わない。
停止条件が成就しなかった場合で、かつ、そのことにつきAの責に帰すべき事由がないときでも、AはBに対し売買契約に基づき買主としての債務不履行責任を負う。
宅建(平成23年) の 10問
第9問
宅地建物取引業者A社(消費税課税事業者)は貸主Bから建物の貸借の代理の依頼を受け、宅地建物取引業者C社(消費税課税事業者)は借主Dから媒介の依頼を受け、BとDとの間で賃貸借契約を成立させた。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば誤っているものはどれか。なお1か月分の借賃は10万円である。
建物を住居として賃借する場合、C社は、Dから承諾を得ているときを除き、52,500円を超える報酬をDから受領することはできない。
建物を店舗として貸借する場合、A社がBから105,000円の報酬を受領するときは、C社はDから報酬を受領することはできない。
建物を店舗として貸借する場合、本件賃貸借契約において300万円の権利金(返還されない金銭)の授受があるときは、A社及びC社が受領できる報酬の額の合計は、294,000円以内である。
C社は、Dから媒介報酬の限度額まで受領できるほかに、法第37条の規定に基づく契約の内容を記載した書面を作成した対価として、文書作成費を受領することができる。
宅建(平成23年) の 10問
第10問
宅地建物取引業者A社は、自ら売主として宅地建物取引業者である買主B社と宅地の売買について交渉したところ、大筋の合意を得て、重要事項説明を翌日に行うこととした。しかし、重要事項説明の予定日の朝、A社の唯一の取引主任者である甲が交通事故に遭い、5日間入院することとなった。この場合におけるA社の行為に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
A社の代表者である乙は、取引主任者ではないが契約締結権限をもつ代表者であるため、 甲を代理してB社の代表者丙に対し、甲の宅地建物取引主任者証を提示した上、重要事項説明を行った。なお、乙は宅地建物取引業に30年間携わったベテランであったこともあり、説明の内容に落ち度はなかった。
A社の従業者である丁は、有効期間は満了しているが、宅地建物取引主任者証を持っていたため、丁がその宅地建物取引主任者証を提示した上、B社の代表者丙に重要事項説明を行った。
事情を知ったB社の代表者丙から、「自分も宅地建物取引業に長年携わっているので、重要事項説明は契約後でも構わない」という申出があったため、重要事項説明は契約締結後に退院した甲が行った。
事情を知ったB社と合意の上、A社は重要事項を記載した書面を交付するにとどめ、退院後、契約締結前に甲が重要事項説明を行った。