1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第1問
蒸気圧力1.2MPa、給水温度30℃で、発生蒸気の湿り度0.05で、蒸発量4t/hのボイラーの換算蒸発量の値に最も近いものは、次のうちどれか。ただし、絶対圧力1.3MPaの飽和水の比エンタルピは815kJ/kg、蒸発熱は1972kJ/kgとする。
3.7t/h
4.1t/h
4.5t/h
4.9t/h
5.3t/h
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第2問
ボイラーの腐食?劣化?損傷に関し、次のうち誤っているものはどれか。
アルカリ腐食は、管と管穴の間などの狭い隙間で水中の水酸化ナトリウム濃度が低くなりすぎたときに生じる。
ピッチングは、米粒から豆粒大の点状の腐食で、主として水に溶存する酸素の作用により生じる。
グルービングは、細長く連続した溝状の腐食で、主として水に溶存する酸素の作用により生じる。
膨出は、火炎に触れる水管などが過熱されて強度が低下し、内部の圧力に耐えきれずに外側へ膨れ出る現象である。
鋳鉄製ボイラーのセクションに割れが生じる原因は、無理な締付け、不均一な加熱、急熱急冷による不同膨張などである。(午前終り)
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第3問
ボイラーの運転中の取扱いに関し、次のうち誤っているものはどれか。
二組の水面計の水位を対比し、差異を認めたときは、水面計の機能試験を行う。
水面計の水位に全く動きがないときは、元弁が閉まっているか又はどこかに詰まりを生じている可能性があるので、直ちに水面計の機能試験を行う。
ボイラーの水位はできるだけ一定に保つように努め、どうしても水位が低下する場合は燃焼を抑えて原因を調べる。
炉筒煙管ボイラーの安全低水面は、煙管最高部より炉筒が高い場合は、炉筒最高部の上100mmの位置とする。
給水ポンプ出口側の圧力計により給水圧力を監視し、ボイラーの圧力との差が減少気味のときには、給水管路が詰まっていないか調べる。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第4問
鋳鉄製ボイラー(小型ボイラーを除く。)に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
ガラス水面計でない水面測定装置として験水コックを設ける場合は、ガラス水面計のガラス管取付位置と同等の高さの範囲において3個以上取り付けなければならない。
温水ボイラーで圧力が0.3MPaを超えるものには、温水温度が120℃を超えないように温水温度自動制御装置を設けなければならない。
温水ボイラーには、ボイラーの本体又は温水出口付近に水高計を取り付けなければならないが水髙計に代えて圧力計を取り付けることができる。
給水が、水道その他圧力を有する水源から供給される場合には、当該水源に係る管を返り管に取り付けなければならない。
開放型膨張タンクに通ずる逃がし管であって、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができるものを備えた暖房用温水ボイラーには、逃がし弁を備えなくてもよい。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第5問
ボイラーの起動、圧力上昇時の取扱いに関し、次のうち誤っているものはどれか。
手動操作による点火では、A重油は噴霧が良くなるように50~60℃に加熱する。
常温の水からたき始めるときの圧力上昇は、初め遅く、次第に速くなるようにして、ボイラー本体各部の温度上昇が平均するようにする。
空気予熱器に漏れ等を生じさせないため、燃焼初期はできる限り低燃焼とし、低燃焼中は空気予熱器の出口ガス温度を監視して、空気予熱器内での異常燃焼を防ぐ。
ボイラー水の温度が高くなっていくと、水位が上昇するので、ボイラー水を排出して常用水位に戻す。
閉止している主蒸気弁を開き、送気を始めるときは、ウォータハンマを起こさないように主蒸気管を少しずつ暖め、ドレンを切りながら徐々に送気量を増やす。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第6問
重油燃焼ボイラーの低温腐食に関し、次のうち誤っているものはどれか。
軟鋼は、希硫酸には耐えるが、濃度の高い硫酸には激しく侵され腐食する。
金属の表面温度が硫酸蒸気の露点以下になると、腐食量は急激に増加する。
エコノマイザの低温腐食防止対策として、給水加熱器の使用などにより、給水温度を高める方法がある。
空気予熱器の低温腐食防止対策として、空気予熱器で予熱された空気の一部を空気予熱器に再循環させる方法がある。
空気予熱器の低温腐食防止対策として、空気予熱器の伝熱板の材料に比較的耐食性のよいセラミックスやエナメル被覆鋼を使用する方法がある。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第7問
鋼製ボイラー(小型ボイラーを除く。)の安全弁に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
貫流ボイラー以外の蒸気ボイラーのボイラー本体の安全弁は、弁軸を給直にしてボイラー本体の容易に検査できる位置に直接取り付けなければならない。
貫流ボイラーには、ボイラー本体と過熱器の出口付近のそれぞれに安全弁を取り付け、安全弁の吹出し総量を最大蒸発量以上にしなければならない。
過熱器には、過熱器の出口付近に過熱器の圧力を設計圧力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。
蒸気ボイラーには、安全弁を2個以上備えなければならないが、伝熱面積が5O㎡以下の蒸気ボイラーでは安全弁を1個とすることができる。
水の温度が120℃を超える温水ボイラーには、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第8問
硫黄1kgを完全燃焼させるのに必要な理論酸素量の値に最も近いものは、(1)~(5)のうちどれか。なお、硫黄が完全燃焼して二酸化硫黄になる反応式は次のとおりである。S+O2=SO2
0.7m3N
2.5m3N
5.0m3N
8.0m3N
9.5m3N
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第9問
ボイラーの通風に関し、次のうち誤っているものはどれか。
煙突によって生じる自然通風力は、煙突の高さが低いほど、また、煙突内のガス温度が高いほど、大きくなる。
人工通風は、自然通風に比べ、ボイラーなどの通風抵抗を大きくとり、管群での燃焼ガス速度を速め、伝熱特性を向上させることができる。
押込み通風は、ファンを用いて燃焼用空気を大気圧より高い圧力として炉内に押し込むもので、一般に常温の空気を取扱い、所要動力が小さいので広く用いられている。
誘引通風は、煙道又は煙突入口に設けたファンによって燃焼ガスを吸い出し煙突に放出するもので、体積の大きい熱ガスを扱うため大型ファンを要とする。
平衡通風は、押込み通風と誘引通風を併用した方式で、通常、燃焼室内を大気圧よりわずかに低い圧力に調節する。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第10問
ボイラーに使用する計測器に関し、次のうち誤っているものはどれか。
ブルドン管式庄カ計は、通常、水を入れたサイホン管を胴又は蒸気ドラムと圧力計との間に取り付け、ブルドン管に蒸気やボイラー水が直接入らないようにする。
面積式流量計は、テ一パ管の中を流体が下から上に流れると、フロートが流量に応じて上下し、流量がテーパ管とフロートの間の環状面積に比例することを利用している。
容積式流量計は、ケーシング内でだ円形歯車を2個組み合わせ、これを流体の流れによって回転させると、歯車とケーシング壁との間の空間部分の量だけ流体が流れ、流量が歯車の回転数に比例することを利用している。
二色水面計は、光線の屈折率の差を利用したもので、蒸気部は赤色に、水部は緑色に見える。
平形反射式水面計は、ガラスの前面から見ると水部は光線が通って白色に見え、蒸気部は反射されて黒色に光って見える。