1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第1問
ボイラーの附属品又は附属装置に関し、次のうち誤っているものはどれか。
沸水防止管は、大径のパイプの上面の多数の穴から蒸気を取り入れ、蒸気流の方向を変えることによって水滴を分離する装置である。
バケット式蒸気トラップは、ドレンの存在が直接トラップ弁を駆動するので、作動が迅速で信頼性が高い。
主蒸気管の配置に当たっては、曲がり部に十分な半径を持たせ、ドレンのたまる部分がないように傾斜をつけるとともに、要所に蒸気トラップを設ける。
給水内管は、一般に長い鋼管に多数の穴を設けたもので、胴又は蒸気ドラム内の安全低水面より上方に取り付ける。
大形ボイラー及び高圧ボイラーでは、2個のブロー弁を直列に設け、ボイラーに近い方を急開弁、遠い方を漸開弁とする。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第2問
燃焼の異常に関し、次のうち誤っているものはどれか。
不完全燃焼による未燃ガスが、燃焼室以外の燃焼ガス通路で燃焼することがあり、これを二次燃焼という。
燃焼中、燃焼室又は煙道内で連続的な高周波数のうなりを発する現象をかまなりという。
かまなりの原因としては、燃焼によるもの、ガスの偏流によるもの、渦によるものなどが考えられる。
火炎が息をつく原因としては、燃料油圧や油温の変動、燃料調整弁や風量調節用ダンパのハンチングなどが考えられる。
火炎が赤い場合は、空気の不足、燃料と空気の撹拌不良、バーナノズル部の不良などが考えられる。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第3問
重油燃焼ボイラーの低温腐食に関し、次のうち誤っているものはどれか。
軟鋼は、希硫酸には耐えるが、濃度の高い硫酸には激しく侵され腐食する。
金属の表面温度が硫酸蒸気の露点以下になると、腐食量は急激に増加する。
エコノマイザの低温腐食防止対策として、給水加熱器の使用などにより、給水温度を高める方法がある。
空気予熱器の低温腐食防止対策として、空気予熱器で予熱された空気の一部を空気予熱器に再循環させる方法がある。
空気予熱器の低温腐食防止対策として、空気予熱器の伝熱板の材料に比較的耐食性のよいセラミックスやエナメル被覆鋼を使用する方法がある。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第4問
液体燃料の供給装置に関し、次のうち誤っているものはどれか。
サービスタンクは、工場内に分散する各燃焼設備に燃料油を円滑に供給する油だめの役目をするもので、フロート式の液面調節器が設けられる。
オートクリーナは、フィルタ清掃用の回転ブラシを備えた単室形のストレーナで、比較的良質の燃料油のろ過に多く用いられる。
噴燃ポンプは、燃料油をバーナから噴射するのに必要な圧力まで昇圧して供給するもので、プランジャーポンプが多く用いられる。
噴燃ポンプには、吐出し圧力の過昇を防止するため、吐出し側と吸込み側の間に逃がし弁が設けられる。
主油加熱器は、噴燃ポンプの吐出し側に設けられ、バーナの構造に合った粘度になるよう燃料油を加熱する。
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第5問
ボイラーに使用する計測器に関し、次のうち誤っているものはどれか。
ブルドン管式庄カ計は、通常、水を入れたサイホン管を胴又は蒸気ドラムと圧力計との間に取り付け、ブルドン管に蒸気やボイラー水が直接入らないようにする。
面積式流量計は、テ一パ管の中を流体が下から上に流れると、フロートが流量に応じて上下し、流量がテーパ管とフロートの間の環状面積に比例することを利用している。
容積式流量計は、ケーシング内でだ円形歯車を2個組み合わせ、これを流体の流れによって回転させると、歯車とケーシング壁との間の空間部分の量だけ流体が流れ、流量が歯車の回転数に比例することを利用している。
二色水面計は、光線の屈折率の差を利用したもので、蒸気部は赤色に、水部は緑色に見える。
平形反射式水面計は、ガラスの前面から見ると水部は光線が通って白色に見え、蒸気部は反射されて黒色に光って見える。
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第6問
蒸気圧力1.2MPa、給水温度30℃で、発生蒸気の湿り度0.05で、蒸発量4t/hのボイラーの換算蒸発量の値に最も近いものは、次のうちどれか。ただし、絶対圧力1.3MPaの飽和水の比エンタルピは815kJ/kg、蒸発熱は1972kJ/kgとする。
3.7t/h
4.1t/h
4.5t/h
4.9t/h
5.3t/h
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第7問
自動制御に関し、次のうち誤っているものはどれか。
シーケンス制御は、あらかじめ定められた順序に従って、制御の各段階を逐次進めていく制御である。
フィードバック制御は、出力側の信号を入力側に戻すことによって、制御量の値を目標値と比較し、それらを一致させるように訂正動作を行う制御である。
オンオフ動作は、操作量が二つの値のいずれかをとる2位置動作のうち、その二つの値の一つをゼロとするものである。
比例制御は、制御偏差の大きさに比例して操作量を増減するように働く動作で、P動作ともいう。
積分動作は、制御偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように働く動作で、D動作ともいう。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第8問
ボイラーの運転中の取扱いに関し、次のうち誤っているものはどれか。
二組の水面計の水位を対比し、差異を認めたときは、水面計の機能試験を行う。
水面計の水位に全く動きがないときは、元弁が閉まっているか又はどこかに詰まりを生じている可能性があるので、直ちに水面計の機能試験を行う。
ボイラーの水位はできるだけ一定に保つように努め、どうしても水位が低下する場合は燃焼を抑えて原因を調べる。
炉筒煙管ボイラーの安全低水面は、煙管最高部より炉筒が高い場合は、炉筒最高部の上100mmの位置とする。
給水ポンプ出口側の圧力計により給水圧力を監視し、ボイラーの圧力との差が減少気味のときには、給水管路が詰まっていないか調べる。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第9問
硫黄1kgを完全燃焼させるのに必要な理論酸素量の値に最も近いものは、(1)~(5)のうちどれか。なお、硫黄が完全燃焼して二酸化硫黄になる反応式は次のとおりである。S+O2=SO2
0.7m3N
2.5m3N
5.0m3N
8.0m3N
9.5m3N
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第10問
水質に関し、次のうち誤っているものはどれか。なお、Lはリットルである。
水が酸性かアルカリ性かは、水中の水素イオン濃度と水酸化物イオン濃度により定まり、この程度を表示する方法として水素イオン指数pHが用いられる。
硬度は、水中のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの量を、これに対応する炭酸マグネシウムイオンの量に換算して表す。
濁度は、水中に懸濁する不純物によって水が濁る程度を示すもので、濁度1度は精製水1Lに白陶土(カオリン)1㎎を含む濁りである。
酸消費量は、中和するときのpHにより、酸消費量(pH4.8)と酸消費量(pH8.3)とがある。
電気伝導率は、その単位がS/m、mS/mやμS/mで表され、ボイラー水の電気伝導率を測定することにより、水中の電解質の濃度の概略値を求めることができる。