1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第1問
安全弁の調整に関し、次のうち誤っているものはどれか。
最高使用圧力の異なるボイラーが連絡している場合、安全弁の調整は、最高使用圧力の最も低いボイラーを基準に行う。
安全弁の吹出し圧力が設定圧力より低い場合は、一旦ボイラーの圧力を設定圧力の80%程度まで下げ、調整ボルトを緩めて吹出し圧力を上昇させる。
過熱器用安全弁は、過熱器の焼損を防ぐため、ボイラー本体の安全弁より後に作動するように調整する。
ボイラー本体に安全弁が2個ある場合は、1個を最高使用圧力以下で先に作動するように調整し、他を最高使用圧力の3%増以下で作動するように調整する。
安全弁の手動試験は、最高使用圧力の75%以上の圧力で行う。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第2問
自動制御に関し、次のうち誤っているものはどれか。
シーケンス制御は、あらかじめ定められた順序に従って、制御の各段階を逐次進めていく制御である。
フィードバック制御は、出力側の信号を入力側に戻すことによって、制御量の値を目標値と比較し、それらを一致させるように訂正動作を行う制御である。
オンオフ動作は、操作量が二つの値のいずれかをとる2位置動作のうち、その二つの値の一つをゼロとするものである。
比例制御は、制御偏差の大きさに比例して操作量を増減するように働く動作で、P動作ともいう。
積分動作は、制御偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように働く動作で、D動作ともいう。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第3問
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の附属品の管理に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
燃焼ガスに触れる給水管、吹出管及び水面測定装置の連絡管は、不燃材料により保温等の措置を講じなければならない。
圧力計は、使用中その機能を害するような振動を受けることがないようにし、かつ、その内部が凍結し、又は80℃以上の温度にならない措置を講じなければならない。
蒸気ボイラーの常用水位は、ガラス水面計又はこれに接近した位置に、現在水位と比較することができるように表示しなければならない。
圧力計の目もりには、ボイラーの最高使用圧力を示す位置に見やすい表示をしなければならない。
逃がし管は、凍結しないように保温その他の措置を講じなければならない。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第4問
水管ボイラーに関し、次のうち誤っているものはどれか。
過熱器やエコノマイザを自由に配置できるほか、伝熱面積を大きくとることができ、一般にボイラー効率が高い。
水冷壁は、火炎からの強い放射熱を有効に吸収し、高い蒸発率を示す放射伝熱面となるとともに、炉壁を保護する。
大容量ボイラーには、一般に蒸気ドラム1個と水ドラム2個の3胴形の形式が用いられる。
給水及びボイラー水処理に注意し、特に高圧ボイラーでは厳密な水管理を行う必要がある。
高温高圧ボイラーでは、本体伝熱面が水冷壁管だけからなり、接触伝熱面が全くないか、又はわずかしかない放射ボイラーの形式をとる。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第5問
ボイラーの燃料の燃焼により発生する大気汚染物質に関し、次のうち誤っているものはどれか。
SOxは、人の呼吸器系統などの障害を起こすほか、酸性雨の原因になる。
排ガス中のNOxは、大部分がNO2である。
ばいじんの人体への影響は、呼吸器の障害であり、慢性気管支炎の発症率に重大な影響を与える。
フューエルNOxは、燃料中の窒素化合物から酸化によって生じる。
燃料を燃焼させる際に発生する固体微粒子には、すすとダストがある。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第6問
硫黄1kgを完全燃焼させるのに必要な理論酸素量の値に最も近いものは、(1)~(5)のうちどれか。なお、硫黄が完全燃焼して二酸化硫黄になる反応式は次のとおりである。S+O2=SO2
0.7m3N
2.5m3N
5.0m3N
8.0m3N
9.5m3N
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第7問
熱及び蒸気に関し、次のうち誤っているものはどれか。
気体の比熱には、圧力一定で温度1℃上げる場合の定圧比熱と、体積一定で温度1℃上げる場合の定積比熱(定容比熱)とがあり、定圧比熱は定積比熱より大きい。
放射伝熱は、物体が保有する内部エネルギーの一部を電磁波の形で放出し、それが他の物体に当たり吸収される熱移動である。
圧力1MPa、温度180℃の乾き飽和蒸気を加熱して、圧力1MPa、温度230℃の過熱蒸気にしたとき、この蒸気の過熱度は27.8%である。
物体の圧力をP(Pa)、比体積をv(m3/kg)、内部エネルギーをu(J/kg)とすると、物体の比エンタルピh(J/kg)は、h=u+Pvで表される。
熱と仕事はともにエネルギーの形態で、熱量3.6MJは、電気的仕事量1kWhに相当する。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第8問
伝熱面積の算定方法に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
水管ボイラーの伝熱面積には、ドラム、エコノマイザ、過熱器及び空気予熱器の面積は算入しない。
貫流ボイラーは、燃焼室入口から過熱器入口までの水管の燃焼ガス等に触れる面の面積で伝熱面積を算定する。
立てボイラー(横管式)の横管の伝熱面積は、横管の内径側の面積で算定する。
鋳鉄製ボイラーの伝熱面積には、燃焼ガス等に触れるセクションのスタッドも、所定の算式で算定した面積を算入する。
電気ボイラーは、電気設備容量20kWを1㎡とみなして、その最大電気設備容量を換算した面積を伝熱面積として算定する。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第9問
燃焼の異常に関し、次のうち誤っているものはどれか。
不完全燃焼による未燃ガスが、燃焼室以外の燃焼ガス通路で燃焼することがあり、これを二次燃焼という。
燃焼中、燃焼室又は煙道内で連続的な高周波数のうなりを発する現象をかまなりという。
かまなりの原因としては、燃焼によるもの、ガスの偏流によるもの、渦によるものなどが考えられる。
火炎が息をつく原因としては、燃料油圧や油温の変動、燃料調整弁や風量調節用ダンパのハンチングなどが考えられる。
火炎が赤い場合は、空気の不足、燃料と空気の撹拌不良、バーナノズル部の不良などが考えられる。
1級ボイラー技師国家試験 の 10問
第10問
鋳鉄製ボイラー(小型ボイラーを除く。)に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
ガラス水面計でない水面測定装置として験水コックを設ける場合は、ガラス水面計のガラス管取付位置と同等の高さの範囲において3個以上取り付けなければならない。
温水ボイラーで圧力が0.3MPaを超えるものには、温水温度が120℃を超えないように温水温度自動制御装置を設けなければならない。
温水ボイラーには、ボイラーの本体又は温水出口付近に水高計を取り付けなければならないが水髙計に代えて圧力計を取り付けることができる。
給水が、水道その他圧力を有する水源から供給される場合には、当該水源に係る管を返り管に取り付けなければならない。
開放型膨張タンクに通ずる逃がし管であって、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができるものを備えた暖房用温水ボイラーには、逃がし弁を備えなくてもよい。