潜水士 の 10問
第1問
ヘルメット式潜水における浮上の方法(緊急時処置を含む。)に関し次のうち誤っているものはどれか。
潜水作業者は連絡員と浮上の連絡をかわしたら、潜行索の下に戻り、排気弁などで浮力調整をしながら、徐々に浮上する。
潜水作業者が浮力調整で浮上できず、潜降索をたぐってふじょうするときは、連絡員が潜降索を引き上げ、浮上を補助する。
潜水深度や潜水時間の関係で浮上停止を行う必要がある場合は、3mごとの所定の水深で所定時間、浮上停止を行う。
無停止減圧の範囲内の潜水でも安全のための浮上停止(セーフティストップ)を、水深10mの位置でおこなう。
緊急浮上を要する場合は、所定の浮上停止を省略し、又は所定の浮上停止時間を短縮して水面まで浮上し、できるだけ速やかに再圧室に入って加圧を受ける。
潜水士 の 10問
第2問
潜水業務の危険性に関し、次のうち誤っているものはどれか。
海中の生物による危険には、みずたこ、うつぼ等によるかみ傷、ふじつぼ等による切り傷のほか、いもがい類やがんがぜ等による刺し傷がある。
鋼矢板壁等の水中溶接や溶断作業では、周囲の状況によってはガス爆発の危険がある。
海水中の溶接作業では、海水の電気伝導度が高いので人体への感電を生じることはない。
漁獲物を身体に付けたままの状態でいると、サメの攻撃を受ける危険がある。
潜水作業中、海上衝突を予防するため、潜水作業船に下図に示す国際信号書A旗を掲揚する。
潜水士 の 10問
第3問
潜水業務の危険性に関し、次のうち正しいものはどれか。
潮流のある場所における水中作業で潜水作業者が潮流によって受ける抵抗は、スクーバ式潜水より全面マスク式潜水、全面マスク式潜水よりヘルメット式潜水の方が小さい。
水中での溶接・溶断作業では、ガス爆発の危険はないが、感電する危険がある。
視界の良いときより、海水が濁って視界が悪いときの方がサメやシャチのような海の生物による危険性の度合いが低い。
海中の生物による危険には、サンゴ、ふじつぼ等による切り傷、みずたこ、うつぼ等によるかみ傷のほか、いもがい類、がんがぜ等による刺し傷がある。
潜水作業中、海上衝突を予防するため、潜水作業船に下図に示す国際信号書A旗を掲揚する。
潜水士 の 10問
第4問
圧力の単位に関する次の文中の【 】内に入れるA及びBの数値の組み合わせとして、正しいものは(1)から(5)のうちどれか。
「圧力計が50barを指している。この指示値をSI単位に換算すると【 A 】Mpaとなり、また、この値を気圧の単位に換算すると概ね【 B 】atmとなる。」
【A】M0.5
【B】0.5
【A】M0.5
【B】5
【A】M5
【B】5
【A】M5
【B】50
【A】M50
【B】50
潜水士 の 10問
第5問
気体の液体への溶解に関し、次のうち誤っているものはどれか。ただし、温度は一定であり、その気体のその液体に対する溶解度は小さく、また、その液体と反応する気体ではないものとする。
気体が液体に接しているとき、気体はヘンリーの法則に従って液体に溶解する。
気体がその圧力下で液体に溶解して溶解度に達した状態、すなわち限度いっぱいまで溶解した状態を飽和と言う。
水深20mの圧力下において一定量の水に溶解する気体の質量は、水深10mの圧力下において溶解する物質の2倍となる。
潜降するとき、呼吸する空気中の窒素分圧の上昇に伴って体内に溶解する窒素量も増加する。
浮上するとき、呼吸する空気中の窒素分圧の上昇に伴って、体内に溶解していた窒素が体内で気泡化することがある。
潜水士 の 10問
第6問
潜水墜落又は吹き上げに関し、次のうち誤っているものはどれか。
潜水墜落は、潜水服内部の圧力と水圧の平衡が崩れ、内部の圧力が水圧より低くなったときに起こる。
ヘルメット式潜水における潜水墜落の原因の一つに潜水作業者への過剰な送気がある。
吹き上げは、潜水服内部の圧力と水圧の平衡が崩れ、内部の圧力が水圧より高くなったときに起こる。
吹き上げは、ヘルメット式潜水のほか、ドライスーツを使用する潜水においても起こる可能性がある。
吹き上げ時の対応を誤ると潜水墜落を起こすことがある。
潜水士 の 10問
第7問
下図のように、一端を閉じた質量100g。断面積20cm
2
の円筒の内部に少し空気が残るようにして逆さまにして水につけたところ、円筒中の水面が外部の水面より少し下がった状態で鉛直に静止した。この水面の差dは何㎝か。 ただし、円筒の厚さと円筒内の空気の質量は無視できるものとする。
5㎝
10㎝
15㎝
20㎝
25㎝
潜水士 の 10問
第8問
ヒトの循環器系に関し、次のうち誤っているものはどれか。
心臓は左右の心室と心房、すなわち四つの部屋に分かれており、血液は左心室から体全体に送り出される。
末梢組織から二酸化炭素や老廃物を受けとった血液は、毛細血管から静脈、大静脈を通って心臓の右心房に戻る。
大動脈及び肺動脈を流れる血液は、酸素に富む動脈血である。
心臓の左右の心房の間が卵円孔開存で通じていると、減圧症を引き起こすおそれがある。
大動脈の根元から出た冠状動脈は、心臓の表面を取り巻き、心筋に酸素と栄養素を供給する。
潜水士 の 10問
第9問
潜水によって生じる圧外傷に関し、次のうち誤っているものはどれか。
圧外傷は、水圧による疾患の代表的なものであり、水圧が身体に不均等に作用することで生じる。
圧外傷は、潜降、浮上いずれのときも生じ、潜降時のものをスクィーズ、浮上時のものをブロックと呼ぶことがある。
潜降時の圧外傷は、潜降による圧力変化のために体腔の容積が増えることで生じ、中耳腔や副鼻腔又は面マスクの内部や潜水服と皮膚の間などで生じる。
深さ1.8mのような浅い場所での潜水でも圧外傷が生じることがある。
虫歯になって内部に密閉された空洞ができた場合、その部分で圧外傷が生じることがある。
潜水士 の 10問
第10問
気体の性質に関し、次のうち誤っているものはどれか。
二酸化炭素は、人体の代謝作用や物質の燃焼によって発生する無色、無臭の気体で、人の呼吸の維持に微量必要な物である。
窒素は、無色、無臭で常温では科学的に安定した不活性の気体であるが、高圧下では麻酔作用がある。
酸素は、無色、無臭の気体で、生命維持に必要不可欠なものであり、人体には呼吸ガス中の酸素濃度が高ければ高いほどよい。
ヘリウムは、無色、無臭で科学的に非常に安定した、極めて軽い気体である。
一酸化炭素は、無色、無臭の有毒な気体で、物質の不完全燃焼などによって発生する。