行政書士 国家試験 の 10門
第1問
日本の産業に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
天然ガスや鉄鉱石など、国内の豊富な天然資源を活かした工業生産が盛んであり、さらなる資源の獲得に向けて、東シナ海などで埋蔵資源の発掘が進められている。
1970年代以後、政府による景気対策の一環として、公共事業が安定的に実施されてきたことから、建設業の事業所数や就業者数は、増加傾向にある。
サービス産業の労働生産性は、業種によって大きなばらつきがみられ、中小企業や個人事業主が多い卸売・小売業、飲食店、宿泊業では相対的に低い水準となっている。
高度成長期以降、工業製品とともに、農業生産物の輸出が伸びており、特に米については、ブランド米を中心に、その多くを海外へ輸出している。
漁業生産量では、沿岸漁業による水揚げの低迷を背景に、その5割を養殖に依存している。
行政書士 国家試験 の 10門
第2問
就労に関する次の記述は妥当でしょうか?
雇止めとは、期間の定めのある雇用契約において、使用者もしくは労働者の希望により契約が更新されないことをいう。
行政書士 国家試験 の 10門
第3問
行政庁の裁量に関する次の記述は、最高裁判所の判例に照らし、正しいでしょうか?
地方公共団体が指名競争入札に参加させようとする者を指名するに当たり、地元の経済の活性化にも寄与することを考慮して地元企業を優先的に指名することは、合理的な裁量権の行使として許容される。
行政書士 国家試験 の 10門
第4問
行政事件訴訟法による不作為の違法確認の訴えに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
不作為の違法確認の訴えは、行政庁が、法令に基づく申請に対して、相当の期間内に申請を認める処分又は審査請求を認容する採決をすべきであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める訴訟をいう。
不作為の違法確認の訴えが提起できる場合においては、申請を認める処分を求める申請型義務付け訴訟を単独で提起することもでき、その際には、不作為の違法確認の訴えを併合提起する必要はない。
不作為の違法確認の訴えの提起があった場合において、当該申請に対して何らかの処分がなされないことによって生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、仮の義務付けの規定の準用により、仮の義務付けを申し立てることができる。
不作為の違法確認の訴えは、公法上の当事者訴訟の一類型であるから、法令以外の行政内部の要綱等に基づく申請により、行政機関が申請者に対して何らかの利益を付与するか否かを決定することとしているものについても、その対象となりうる。
不作為の違法確認の訴えについては、取消訴訟について規定されているような出訴期間の定めは、無効等確認の訴えや処分の差止めの訴えと同様、規定されていない。
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第5問
Aは、配偶者がいるにもかかわらず、配偶者以外のBと不倫関係にあり、その関係を維持する目的で、A所有の甲建物をBに贈与した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、正しいものはどれか。
甲建物がAからBに引き渡されていない場合に、A・B間の贈与が書面によってなされたときには、Aは、Bからの引渡請求を拒むことはできない。
甲建物が未登記建物である場合において、Aが甲建物をBに引き渡したときには、Aは、Bに対して甲建物の返還を請求することはできない。
甲建物が未登記建物である場合において、Aが甲建物をBに引き渡した後に同建物についてA名義の保存登記をしたときには、Aは、Bに対して甲建物の返還を請求することができる。
A名義の登記がなされた甲建物がBに引き渡されたときには、Aは、Bからの甲建物についての移転登記請求を拒むことはできない。
贈与契約のいきさつにおいて、Aの不法性がBの不法性に比してきわめて微弱なものであっても、Aが未登記建物である甲建物をBに引き渡したときには、Aは、Bに対して甲建物の返還を請求することはできない。
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第6問
行政書士をめざすA君は、いくつかの最高裁判所判決を読みながら、その重要な部分を書き取ったカードを作成し、判例の論理をたどろうとしていたところ、うっかりしてカードをばらまいてしまった。その際に、要約ミスのため捨てるはずだった失敗カードが1枚混ざってしまったため、全体としてつじつまがあわなくなった。以下の1~5のうち、捨てるはずだった失敗カードの上に書かれていた文章はどれか。
一般に、国民生活上不可欠な役務の提供の中には、当該役務のもつ高度の公共性にかんがみ、その適正な提供の確保のために、法令によって、提供すべき役務の内容及び対価等を厳格に規制するとともに、更に役務の提供自体を提供者に義務づける等のつよい規制を施す反面、これとの均衡上、役務提供者に対してある種の独占的地位を与え、その経営の安定をはかる措置がとられる場合がある。
憲法22条1項は、国民の基本的人権の一つとして、職業選択の自由を保障しており、そこで職業選択の自由を保障するというなかには、広く一般に、いわゆる営業の自由を保障する趣旨を包含しているものと解すべきであり、ひいては、憲法が、個人の自由な経済活動を基調とする経済体制を一応予定しているものということができる。
しかし、憲法は、個人の経済活動につき、その絶対かつ無制限の自由を保障する趣旨ではなく、各人は、「公共の福祉に反しない限り」において、その自由を享有することができるにとどまり、公共の福祉の要請に基づき、その自由に制限が加えられることのあることは、右条項自体の明示するところである。
のみならず、憲法の他の条項をあわせ考察すると、憲法は、全体として、福祉国家的理想のもとに、社会経済の均衡のとれた調和的発展を企図しており、その見地から、すべての国民にいわゆる生存権を保障し、その一環として、国民の勤労権を保障する等、経済的劣位に立つ者に対する適切な保護政策を要請していることは明らかである。
おもうに、右条項に基づく個人の経済活動に対する法的規制は、個人の自由な経済活動からもたらされる諸々の弊害が社会公共の安全と秩序の維持の見地から看過することができないような場合に、消極的に、かような弊害を除去ないし緩和するために必要かつ合理的な規制である限りにおいてのみ許されるべきである。
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第7問
行政調査に関する次の記述は、正しいでしょうか?争いがある場合には最高裁判所の判例の立場による。
警察官職務執行法上の職務質問に付随して行う所持品検査は、検査の必要性、緊急性の認められる場合には、相手方への強制にわたるものであっても適法である。
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第8問
行政不服審査に関する原則の説明として、誤っているものはどれか。
自由選択主義 ━━━━ 不作為について、異議申立てと直近上級行政庁に対する審査請求のいずれをするかは、原則として、当事者の自由な選択に委ねられていること
処分権主義 ━━━━ 私人からの不服申立てがなくとも、行政庁が職権で審理を開始することができること
審査請求中心主義 ━━━━ 処分について、審査請求ができる場合には、法律に特別の定めがないかぎり、異議申立てを認めないとすること
一般概括主義 ━━━━ 適用除外規定に該当する処分を除き、原則として全ての処分について異議申立て又は審査請求が可能なこと
書面審理主義 ━━━━ 不服申立ての審理は、書面によることを原則としていること
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第9問
行政手続法における意見公募手続に関する定めについての次の記述のうち、妥当なものはどれか。
意見公募手続の対象となる命令等は、外部に対して法的拘束力を有するものに限られるから、行政処分の基準は含まれるが、行政指導の指針は含まれない。
意見公募手続における意見提出期間について、やむを得ない理由により、同法が定める期間を下回ることとされる場合には、その理由を明らかにしなければならない。
意見公募手続を実施して命令等を定めた場合には、その公布と同時期に、その題名や公示日とともに、提出された意見のうち、同一の意見が法定された数を超えたものについて、その意見を考慮した結果を公示しなければならない。
意見公募手続を実施して一般の意見を公募した以上、命令等を制定しないことは許されず、命令等を制定して、提出された意見等を公示しなければならない。
意見公募手続を実施した結果、提出された意見が法定された数に満たない場合には、緊急に命令等を定める必要がある場合を除き、再度の意見公募手続を実施しなければならない。
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第10問
取締役会設置会社が、その発行する全部の株式の内容として、譲渡による株式の取得について当該会社の承認を要する旨を定める場合(以下、譲渡制限とはこの場合をいう。)に関する次の記述は、会社法の規定に照らし、正しいでしょうか?
譲渡制限の定めのある株式を他人に譲り渡そうとする株主は、譲渡による株式の取得について承認をするか否かの決定をすることを会社に対して請求できるが、この請求は、利害関係人の利益を害するおそれがない場合を除き、当該株式を譲り受ける者と共同して行わなければならない。