行政書士 国家試験 の 10門
第1問
行政不服審査法に基づく審査請求の裁決と取消訴訟との関係について、妥当な記述はどれか。
審査請求の裁決に不服がある審査請求人は、これに対して取消訴訟を提起して争うことができるが、それ以外の者は、裁決に不服があっても取消訴訟を提起することはできない。
違法な処分に対する審査請求について、審査庁が誤って棄却する裁決をした場合、審査請求人は、裁決取消訴訟により、元の処分が違法であったことを理由として、棄却裁決の取消しを求めることができる。
審査請求の裁決には理由を付さなければならないが、付された理由が不十分であったとしても、裁決に対する取消訴訟において、理由の記載の不備のみのために裁決が取消されることはない。
適法な審査請求が審査庁により誤って却下された場合には、審査請求の前置が取消訴訟の訴訟要件とされていても、審査請求人は、審査請求に対する実体的な裁決を経ることなく、元の処分に対する取消訴訟を提起できる。
処分に対して審査請求がなされた場合においても、当該処分の取消訴訟の出訴期間については、当該処分を知った日の翌日が起算日とされ、この期間が経過すれば、審査請求の手続の途中でも、当該処分に不可争力が生じる。
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第2問
債務引受および契約上の地位の譲渡(契約譲渡)に関する次の記述のは、判例に照らし、妥当でしょうか?
売主の地位や買主の地位の譲渡は、当該売買契約の相手方の承諾がないときは、その相手方に対して効力を生じない。
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第3問
日本の公債発行に関する次の記述のは妥当でしょうか?
東日本大震災以降、政府一般会計当初予算では、歳入の4割以上が国債発行により調達されている。
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第4問
【原告適格に関する最高裁判所の判決について】公衆浴場法の適正配置規定は、許可を受けた業者を濫立による経営の不合理化から守ろうとする意図まで有するものとはいえず、適正な許可制度の運用によって保護せらるべき業者の営業上の利益は単なる事実上の反射的利益にとどまるから、既存業者には、他業者への営業許可に対する取消訴訟の原告適格は認められない。
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第5問
ペットに関する次の記述は正しいでしょうか?
1950年代には多くの市区町村で犬税が導入されていたが、犬税を課す市区町村の数は次第に減少し、現在では、犬税を課している市区町村は一つもない。
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第6問
権力分立に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
アメリカでは、国会議員と執行府の長の双方が国民によって直接選挙されるが、権力分立の趣旨を徹底するために、大統領による議会の解散と議会による大統領の不信任のメカニズムが組み込まれている。
政党が政治において主導的役割を演じる政党国家化が進むと、議院内閣制の国では議会の多数党が内閣を組織するようになり、内閣不信任案の可決という形での議会による内閣の責任追及の仕組みが、一般には、より実効的に機能するようになった。
伝統的には、議会の立法権の本質は、国民に権利・利益を付与する法規範の制定であると考えられてきたが、行政国家化の進展とともに、国民の権利を制限したり義務を課したりするという側面が重視されるようになった。
一般性・抽象性を欠いた個別具体的な事件についての法律(処分的法律)であっても、権力分立の核心を侵さず、社会国家にふさわしい実質的・合理的な取扱いの違いを設定する趣旨のものであれば、必ずしも権力分立や平等原則の趣旨に反するものではないとの見解も有力である。
君主制の伝統が強く、近代憲法制定時に政府と裁判所とが反目したフランスやドイツでは、行政権を統制するために、民事・刑事を扱う裁判所が行政事件も担当してきた。
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第7問
行政手続に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、誤っているもの はどれか。
行政手続は刑事手続とその性質においておのずから差異があることから、常に必ず行政処分の相手方等に事前の告知、弁解、防御の機会を与えるなどの一定の手続を設けることを必要とするものではない。
公害健康被害補償法*に基づく水俣病患者認定申請を受けた処分庁は、早期の処分を期待していた申請者が手続の遅延による不安感や焦燥感によって内心の静穏な感情を害されるとしても、このような結果を回避すべき条理上の作為義務を負うものではない。
一般旅客自動車運送事業の免許拒否処分につき、公聴会審理において申請者に主張立証の機会が十分に与えられなかったとしても、運輸審議会(当時)の認定判断を左右するに足る資料等が追加提出される可能性がなかった場合には、当該拒否処分の取消事由とはならない。
国税犯則取締法上、収税官吏が犯則嫌疑者に対し質問する際に拒否権の告知は義務付けられていないが、供述拒否権を保障する憲法の規定はその告知を義務付けるものではないから、国税犯則取締法上の質問手続は憲法に違反しない。
教育委員会の秘密会で為された免職処分議決について、免職処分の審議を秘密会で行う旨の議決に公開原則違反の瑕疵があるとしても、当該瑕疵は実質的に軽微なものであるから、免職処分の議決を取り消すべき事由には当たらない。
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第8問
錯誤による意思表示に関する次の記述は、民法の規定および判例に照らし、妥当でしょうか?
表意者が錯誤に陥ったことについて重大な過失があったときは、表意者は、自ら意思表示の無効を主張することができない。この場合には、相手方が、表意者に重大な過失があったことについて主張・立証しなければならない。
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第9問
内閣に関する憲法の規定の説明として正しいものはどれか。
内閣総理大臣は、衆議院議員の中から、国会の議決で指名する。
国務大臣は、内閣総理大臣の指名に基づき、天皇が任命する。
内閣は、衆議院で不信任の決議案が可決されたとき、直ちに総辞職しなければならない。
内閣は、総選挙の結果が確定すると同時に、直ちに総辞職しなければならない。
内閣は、総辞職の後、新たに内閣総理大臣が任命されるまで引き続き職務を行う。
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第10問
債権の準占有者に対する弁済等に関する次の記述は、民法の規定および判例に照らし、妥当でしょうか?
債権が二重に譲渡され、一方の譲受人が第三者対抗要件を先に具備した場合に、債務者が、その譲受人に対する弁済の有効性について疑いを抱いてもやむをえない事情があるなど、対抗要件で劣後する譲受人を真の債権者であると信ずるにつき相当の理由があるときに、その劣後する譲受人に弁済すれば、当該弁済は、債権の準占有者への弁済として有効な弁済となる。