精神保健福祉士 国家試験 の 10門
第1問
法と社会、そこに成立する秩序との関係に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
ホッブズ問題とは、人々の私的利益の追求こそが、万人の万人に対する闘争状態を克服することを明らかにした議論のことをいう。
合法的支配とは、形式的に正しい手続きを経て定められた法に基づいていることを理由に、人々がその支配を受け入れていることをいう。
抑圧的法とは、支配者が被支配者を抑圧し黙らせるための手段として用いられるが、支配者自身もその法の支配を受けなければならないものをいう。
応答的法とは、法が政治から分離され、社会のメンバーすべてが等しく従うべき普遍的なルールとして形式化され、体系化されたものをいう。
自律的法とは、普遍性を維持しつつも社会の要請に応えるために、より柔軟で可塑的な運用を可能にする新たな法のあり方のことをいう。
精神保健福祉士 国家試験 の 10門
第2問
地域包括ケアシステムに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
(注)「医療介護総合確保推進法」とは、「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」のことである。
高齢者を対象としているため、障害者や子どもについては対象として想定されていない。
団塊の世代が75歳となる2025年を目途に、専ら認知症高齢者に対する在宅医療システムの充実を目指している。
地域包括ケアの概念は、「医療介護総合確保推進法」における介護保険法改正(平成27年4月施行)において、初めて法的根拠が与えられた。
自助、互助、共助、公助から構成されるが、公助を中心としたシステム構築が必要であるとされている。
住まい・医療・介護・予防・生活支援が地域の特性に応じて、一体的に提供されるシステムの構築を目指している。
精神保健福祉士 国家試験 の 10門
第3問
生活保護を受給している一人暮らしで、軽度の知的障害のある入院患者Kさん(30歳、男性)について、今後の治療法と治療機関の選択をするため、医師とKさんによる話し合いが医療ソーシャルワーカー同席の下で行われた。話し合いの内容が複雑なため、Kさんが自分の希望を明確に医師に伝えることが難しいと予想した医療ソーシャルワーカーは、あらかじめKさんと話し合った結果に基づきKさんの状況とニーズについて、Kさんに代わって話し合いの場で医師に伝えた。次のうち、こうした医療ソーシャルワーカーの行為を表す用語として、正しいものを1つ選びなさい。
アカウンタビリティ
セカンドオピニオン
リスクマネジメント
アドボカシー
インフォームドコンセント
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第4問
次のうち、「改正精神保健福祉法」において、医療保護入院を行うために精神保健指定医 1 名の診察による判定とともに必要な要件として、正しいものを1つ選びなさい。
(注)「改正精神保健福祉法」とは、2013 年(平成 25 年)に改正された「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律」のことである。
患者本人の同意
保護者の同意
精神保健福祉士の判定
もう 1 名の精神保健指定医の診察による判定
家族等のうちいずれかの者の同意
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第5問
精神障害者を対象とする施設等に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
(注)「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。
精神病者監護法により、救護施設が法定化された。
精神衛生法により、精神障害者地域生活支援センターが法定化された。
精神保健法により、精神障害者社会復帰施設が法定化された。
「精神保健福祉法」により、障害者就業・生活支援センターが法定化された。
障害者自立支援法により、精神障害者地域生活援助事業が法定化された。
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第6問
福祉施設・職員の行為に関する次の記述のうち、その適否を考えるに当たり、憲法13条の人格権やプライバシー権が直接の根拠となるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
利用者が信じる宗教の経典の持ち込みを禁止すること
利用者が拒否する作業を強要すること
利用者の承諾なしに施設の案内パンフレットにその顔写真を掲載すること
利用者の承諾なしに施設協力費を預り金から徴収すること
利用者が施設批判をしたことを理由に退所を求めること
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第7問
措置制度などに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
措置制度では、措置権者とサービス利用者の間の委託契約に基づいてサービスが提供される。
措置制度では、措置権者からサービス利用者に対して支払われる措置費をサービス提供事業者が代理受領する。
措置制度が適用される福祉サービスの費用は、全額国の負担とされている。
利用契約方式をとる制度の下でも、やむを得ない事由がある場合には、措置制度が適用される。
生活保護法では、行政庁が保護の必要な者に対して職権で保護を行うという職権保護が原則である。
精神保健福祉士 国家試験 の 10門
第8問
「障害者総合支援法」の実施にかかわる関係機関の役割に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
市町村は、障害福祉サービス事業者の指定を行う。
都道府県は、障害支援区分の認定を行う。
都道府県は、補装具費の支給を行う。
国民健康保険団体連合会は、市町村から委託を受けて介護給付費等の支払業務を行う。
公共職業安定所(ハローワーク)は、就労移行支援事業者の指定を行う。
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第9問
ボランティア活動に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
社会福祉法では、市町村社会福祉協議会はボランティアコーディネーターを配置する義務があるとされている。
「ボランティア活動の中長期的な振興方策について(意見具申)」では、ボランティア活動の基盤整備のための公費使用は、ボランティア活動の自主性を妨げるとされている。
中間支援組織としてのボランティアセンターの運営主体は、社会福祉協議会、NPOといった民間非営利組織に限定されている。
社会福祉法第4条にいう「社会福祉に関する活動を行う者」には、ボランティア等が想定されている。
ボランティアコーディネーターは、ボランティア活動者の自主性を妨げないようにするため、プログラムの企画や開発を行ってはならない。
精神保健福祉士 国家試験 の 10門
第10問
精神保健福祉士が行う面接技法に関する次の組み合わせのうち、正しいものを1つ選びなさい。
要約(summarization) 利用者のはっきりしない考えや感情を言葉で表現する。
言い換え(paraphrase) 利用者の話に関心をもって聴いていることを伝える。
直面化(confrontation) 利用者が話した内容の矛盾点を見定めて指摘する。
励まし(encouraging) 利用者が述べた内容を、簡潔に別の言葉を使って返す。
明確化(clarification) 利用者が語る内容や気持ちを整理してまとめる。