宅建(平成22年) の 10問
第1問
民法第423条第1項は、「債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。」と定めている。これに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
債務者が既に自ら権利を行使しているときでも、債権者は、自己の債権を保全するため、民法第423条に基づく債権者代位権を行使することができる場合がある。
未登記建物の買主は、売主に対する建物の移転登記請求権を保全するため、売主に代位して、当該建物の所有権保全登記手続を行うことができる場合がある。
建物の賃借人は、賃貸人(建物所有者)に対し使用収益を求める債権を保全するため、賃貸人に代位して、当該建物の不法占有者に対し当該建物を直接自己に明け渡すよう請求できる場合がある。
抵当権者は、抵当不動産の所有者に対し当該不動産を適切に維持又は保存することを求める請求権を保全するため、その所有者の妨害排除請求権を代位行使して、当該不動産の不法占有者に対しその不動産を直接自己に明け渡すよう請求できる場合がある。
宅建(平成22年) の 10問
第2問
宅地建物取引業者Aが、自ら売主となり、宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約について、Bが宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づき、いわゆるクーリング・オフによる契約の解除をする場合における次の記述のうち、正しいものはどれか。
Bが、自ら指定したホテルのロビーで買受けの申込みをし、その際にAからクーリング・オフについて何も告げられず、その3日後、Aのモデルルームで契約を締結した場合、Bは売買契約を解除することができる。
Bは、テント張りの案内所で買受けの申込みをし、その際にAからクーリング・オフについて書面で告げられ、契約を解除した。その5日後、代金の全部を支払い、翌日に宅地の引渡しを受けた。この場合、Bは売買契約を解除することができる。
Bは、喫茶店で買受けの申込みをし、その際にAからクーリング・オフについて書面で告げられ、翌日、喫茶店で契約を締結した。その5日後、契約解除の書面をAに発送し、その3日後に到達した。この場合、Bは売買契約を解除することができない。
Bは、自ら指定した知人の宅地建物取引業者C(CはAから当該宅地の売却について代理又は媒介の依頼を受けていない)の事務所で買受けの申込みをし、その際にAからクーリング・オフについて何も告げられず、翌日、Cの事務所で契約を締結した場合、Bは売買契約を解除することができない。
宅建(平成22年) の 10問
第3問
3階建て、延べ面積600平方メートル、高さ10mの建築物に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。
当該建築物が木造であり、都市計画区域外に建築する場合は、確認済証の交付を受けなくとも、その建築工事に着手することができる。
用途が事務所である当該建築物の用途を変更して共同住宅にする場合は、確認を受ける必要はない。
当該建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。
用途が共同住宅である当該建築物の工事を行う場合において、2階の床及びこれを支持するはりに鉄筋を配置する工事を終えたときは、中間検査を受ける必要がある。
宅建(平成22年) の 10問
第4問
AはBから2,000万円を借り入れて土地とその上の建物を購入し、Bを抵当権者として当該土地及び建物に2,000万円を被担保債権とする抵当権を設定し、登記した。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているのはどれか。
AがBとは別にCから500万円を借り入れていた場合、Bとの抵当権設定契約がCとの抵当権設定契約より先であっても、Cを抵当権者とする抵当権設定登記の方がBを抵当権者とする抵当権設定登記より先であるときには、Cを抵当権者とする抵当権が第1順位となる。
当該建物に火災保険が付されていて、当該建物が火災によって焼失してしまった場合、Bの抵当権は、その火災保険契約に基づく損害保険金請求権に対しても行使することができる。
Bの抵当権設定登記後にAがDに対して当該建物を賃貸し、当該建物をDが使用している状態で抵当権が実行され当該建物が競売された場合、Dは競落人に対して直ちに当該建物を明け渡す必要がない。
AがBとは別に事業資金としてEから500万円を借り入れる場合、当該土地及び建物の購入代金が2,000万円であったときには、Bに対して500万円以上の返済をした後でなければ、当該土地及び建物にEのために2番抵当権を設定することはできない。
宅建(平成22年) の 10問
第5問
所有権及びそれ以外の財産権の取得時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
土地の賃借権は、物権ではなく、契約に基づく債権であるので、土地の継続的な用益という外形的かつ客観的事実が存在したとしても、時効によって取得することはできない。
自己の所有と信じて占有している土地の一部に、隣接する他人の土地の筆の一部が含まれていても、他の要件を満たせば、当該他人の土地の一部の所有権を時効によって取得することができる。
時効期間は、時効の基礎たる事実が開始された時を起算点としなければならず、時効援用者において起算点を選択し、時効完成の時期を早めたり遅らせたりすることはできない。
通行地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。
宅建(平成22年) の 10問
第6問
宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明を取引主任者が行う場合における次の記述のうち、同条の規定に違反しないものはどれか。
中古マンションの売買の媒介において、当該マンションに係る維持修繕積立金については説明したが、管理組合が保管している維持修繕の実施状況についての記録の内容については説明しなかった。
自ら売主となる新築住宅の売買において、重要事項の説明の時点で瑕疵(かし)担保責任の履行に関する責任保険の契約を締結する予定であることは説明したが、当該責任保険の概要については説明しなかった。
宅地の売買の媒介において、当該宅地が急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条の規定に基づく急傾斜地崩壊危険区域内にあることは説明したが、立木竹の伐採には都道府県知事の許可を受けなければならないことについては説明しなかった。
建物の売買の媒介において、登記された権利の種類及び内容については説明したが、移転登記の申請の時期については説明しなかった。
宅建(平成22年) の 10問
第7問
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
専有部分が数人の共有に属するときは、規約で別段の定めをすることにより、共有者は議決権を行使すべき者を2人まで定めることができる。
規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しては、その効力を生じない。
敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、規約で別段の定めがあるときを除き、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができる。
集会において、管理者の選任を行う場合、規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決する。
宅建(平成22年) の 10問
第8問
宅地建物取引業者Aが、売主Bと買主Cとの間の宅地の売買について媒介を行う場合において、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、法の規定によれば、正しいものはどれか。
Aが、取引主任者をして、37条書面に記名押印させた場合には、37条書面の交付を、取引主任者でないAの代表者や従業員が行ってもよい。
公正証書によってなされる売買契約の場合には、当該公正証書に取引主任者の記名押印がなくても、法第35条に規定する書面に取引主任者の記名押印があれば、当該公正証書をもって37条書面に代えることができる。
B及びCが宅地建物取引業者である場合には、37条書面において、引渡しの時期の記載を省略することができる。
37条書面に記名押印する取引主任者は、法第35条に規定する書面に記名押印した取引主任者と同一の者でなければならない。
宅建(平成22年) の 10問
第9問
制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
土地を売却すると、土地の管理義務を免れることになるので、婚姻していない未成年者が土地を売却するに当たっては、その法定代理人の同意は必要ない。
成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却するためには 家庭裁判所の許可が必要である。
被保佐人については、不動産を売却する場合だけではなく、日用品を購入する場合も、保佐人の同意が必要である。
被補助人が法律行為を行うためには、常に補助人の同意が必要である。
宅建(平成22年) の 10問
第10問
国土利用計画法第23条の都道府県知事への届出 (以下この問において「事後届出」という。) に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
宅地建物取引業者Aが、自ら所有する市街化区域内の5,000平方メートルの土地について、宅地建物取引業者Bに売却する契約を締結した場合、Bが契約締結日から起算して2週間以内に事後届出を行わなかったときは、A及びBは6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられる場合がある。
事後届出に係る土地の利用目的について、甲県知事から勧告を受けた宅地建物取引業Cは、甲県知事に対し、当該土地に関する権利を買い取るべきことを請求することができる。
乙市が所有する市街化調整区域内の10,000平方メートルの土地と丙市が所有する市街化区域内の2,500平方メートルの土地について、宅地建物取引業者Dが購入する契約を締結した場合、Dは事後届出を行う必要はない。
事後届出に係る土地の利用目的について、丁県知事から勧告を受けた宅地建物取引業者Eが勧告に従わなかった場合、丁県知事は、その旨及びその勧告の内容を公表しなければならない。